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第49話

「失礼します」 部屋に入ってきたアンディ 手にはルシェルから言われ作ったお粥がお盆の上に乗っている 彼はそれをルシェルの元まで運んできて ルシェルはそれを受け取った お粥を運んできた彼を知らない浬はじっとアンディを見る するとアンディは軽くお辞儀をし自己紹介をした 「申し遅れました 私、ルシェル様の付き人のアンドリューと申します アンディとお呼びください」 「アン…ディ……?」 「はい」 笑顔で浬の対応をする 浬は半分人間と言うことで少し心配だった 今まで純血の吸血鬼にいい顔をされなかったから しかし自分を心の底は分からないが一応歓迎されているのだと安心した 浬は自分も挨拶をしなければと自己紹介をしようとするとアンディは存じておりますと言った 恐らくルシェルが既に話していたのだろう 一通り挨拶を交わした後ルシェルはお粥が冷めるからとアンディを下がらせお粥を自分が浬に食べさせようとする 「はい、あ~ん!!」 「……じ、自分で食べれる」 「え~つまんない」 「…………」 そう言われても食べさせてもらうなんて恥ずかしい と言うか食べてるところを見られるのも恥ずかしいと言うのにルシェルは浬が食べ終わるまでずっと見ていた お粥を食べ終わり再びルシェルはアンディを呼び食器を片付けさせる アンディもルシェルにパシリのように扱われて大変だなと浬は心の中で思った そして浬は一番気になることを口に出した 「ねぇ、もう帳にも八尋にも会えないのかな」 「そうだね~君がここに来たと言うことはそう言うことだね」 八尋が大怪我を負って それからどうなったのかは分からない ルシェルに聞くと病院に運ばれて命は助かったと言ったが そんなときに自分はこんなところにいるなんて八尋に申し訳ない気持ちでいっぱいだ けれどきっともうあそこには戻れない 浬は今までのようには出来ないのだと悟った それにルシェルは何かを企んでいる それが何なのかは分からないが多分自分は彼の傍でそれを見届けるのだと思う

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