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第51話

帳の血のお陰か驚異的な回復を遂げ退院することとなった八尋 これには医者も驚愕していた 全治三ヶ月が一ヶ月で回復なのだから お世話になった看護士さんに見送られながら病院を後にする 帳の運転する車に乗り家へと向かう 「なぁ帳あいつの事どうするつもりだ?」 「その件に関しては協会で探しているところだ お前の気にすることじゃない」 「あっそ……」 どうも帳の言うことは信用できない だが気にするなと言われればこれ以上何も言えないしどうすることも出来ない だから帳の言う通り何も口出ししない事にした 家に着いて中へ入る 1か月ぶりの家は何も変わっていない 相変わらず家具の少ない家だ いや、広い故に家具が少なく見えるだけか 八尋は荷物を自分の部屋に運びベッドに仰向けになる やはり自分の部屋が落ち着く するとトントンと部屋がノックされ帳が入ってきた 「明日から学校だが具合はどうだ?」 「大丈夫だと思う」 「そうか……」 一応明日から学校に通うのだがまだサポーターはつけている 多少まだ痛むものの学校に行くには支障は無いだろう そして翌日、学校へ登校する 学校につくと沢山のクラスメートが寄ってきた 皆口々に大丈夫?心配したなどと言ってくる こんなに心配してくれることはありがたいことだと八尋はありがとうとお礼を言う 「荷物持つよ まだ完治はしてないんだろ?」 「ああ、悪いな」 「いいって」 そう言って友達が教室まで荷物を運んでくれた 自分はいい友達を持ったと八尋は思う 授業中も一々皆大丈夫かと聞いてくる 嬉しいのだが少し疲れる でも折角の好意を無下にも出来ない 「悪い、トイレ行ってくる」 昼休み八尋は取りあえず一人になりたくてトイレに立った そこで大きく溜め息をついた この後保健室で休んどくかと八尋は保健室へ向かった これで必要以上に気を使うことも無いだろうと そして保健室へ向かう途中の事 体育祭の時保健室で浬にダメージを負った男が廊下で二人の男と話をしていた 八尋は特に気にする様子もなく通り過ぎようとしたのだが思わぬことを聞いてしまったのだ 「ああ聖城浬だろ? 折角目をつけてたんだけどな」

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