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第55話

一方その頃アンディは浬の相手をしていた 浬が外にでないとは思うが念のためあんなところを絶対に見られてはいけないとルシェルの命令だ アンディは浬の見張りを兼ねている 今浬はソファに座って本を読んでいる アンディは浬の為にお茶の準備をしていた そして準備をしながら浬に話しかける 「何を読んでらっしゃるのですか?」 「ん?ドラキュラの本」 「……ド、ドラキュラですか……」 本のタイトルを聞いたアンディは一体なぜその本をチョイスしたのかと苦笑いをする 吸血鬼が出るとはいえ実際の吸血鬼とは多少違うため吸血鬼の中でも読んでる者はあまりいない 「面白いですか?」 「う~ん……分かんない」 「え?」 浬の思っても見ない返事に呆気に取られるアンディ 面白いのか分からないのに読んでるのかと 浬の心がよく分からない 「これ、藜がよく読んでくれたから……」 「ああ、なるほど」 それなら納得はできる 今でも藜を慕っているのかと思うと少々心苦しくなる すると浬は本をパタリと閉じ紅茶を入れているアンディの元へやって来た 「アンディはずっとルシェルの傍にいるの?」 「はいそうですね」 「いつから?」 「ははっ、もうどのくらいなのか忘れてしまいました それくらい長い付き合いです」 「そうなんだ……」 考えたら浬はルシェルの事はあまり知らないなぁと思った もっと彼を知りたいとアンディに伝えると何故かそうですね~と苦笑された 聞くとルシェルは人使いが荒く彼の身の回りの世話は勿論、客の世話でも何でも任され正直疲れたんだと…… それだったら辞めればいいのにと言ったら確かにそうですけどと言葉を濁す 「辞めれば楽なんですけどね 旦那様はああ見えて周りの者を惹き付けるんです それに絶対な信頼を置いているのですよ」 「そうなんだ…… でも確かにルシェルはあったかい」 微笑を浮かべそう答える浬 その様子を見たアンディは綺麗だと思った その瞳は妖艶で、かといって厭らしさはない ただ美しい そしてこのピュアな言葉 純粋で儚い、弱さの中に強さをアンディは感じた 「アンディ……??」 「いえ、すみません 旦那様が貴方に執着される理由が分かる気がすると思いまして……」 「??」 アンディの言葉に浬は意味が分からず頭を捻る それを見てアンディは可愛らしいとクスリと笑った

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