56 / 135

第56話

それから浬とアンディは色んな話をした 好きな色、好きな食べ物、好きな花 アンディの好きなものは赤色が好きで食べ物は意外にもチョコレートが好きなんだと それと好きな花は薔薇 薔薇はルシェルも好きな花らしい そして話しながら紅茶とお菓子を食べた お菓子はアンディの手作りのクッキー 四角い形から丸い形、星や猫まである そして何より美味しい 「美味しい」 「喜んでくださったのなら幸いです そうだ、この屋敷の庭には薔薇が沢山咲いているんですが 旦那様から許可がでたら見に行きませんか?」 「ほんと?見る!!見たい」 「ではあとで旦那様に聞いてみましょう」 「うん」 こうして今度薔薇を見ると約束した 久々にルシェル以外の人とこんなに話したから楽しかった こんな感じで楽しくアンディとの一時を過ごした ルシェルがここにきたのはアンディと話し始めて 一時間くらい経った頃だった 「浬」 「ルシェル」 浬はルシェルに抱きつくがすぐに他の気配がしルシェルから離れ後ろを見ると知らない人物が立っていた ルシェルと同じ黒い瞳でとても綺麗な人だ 「彼は俺の弟、ルイスだ」 「弟…… 初めまして浬です」 「どうも」 握手をしようと右手を差し出すもルイスは笑顔でどうもと挨拶するだけで手を差し出すことはしなかった そしてルシェルはルイスに呉々も仲良く、ね と言うと勿論ですと笑顔をルシェルに向ける しかしルシェルが見てない時はルイスは鋭い視線を浬に向ける その視線に浬はぞくりと鳥肌が立つ どうやらあまり歓迎されていないようだ だが歓迎されてないのは今に始まった事ではない 昔からそうだった 幼い頃から吸血鬼から虐げられていた為こう言う事には大分なれてしまっていた それから暫くしてルイスは帰った けれどルイスの頭の中は浬の事でいっぱいだった それもその筈、いきなり現れたと思ったらルシェルの心を独り占めしている半吸血鬼 ルイスとしては当然面白くなかった とは言えルシェルからは浬を守ってほしいと言われたのだ ルシェル直々のお願いとあらば守るしかあるまい それに彼は____ 全く面倒だとルイスは溜め息をつく こうなったのも全部のせいだ 「嗚呼、本当に面倒だ………」

ともだちにシェアしよう!