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第57話

ルイスが帰った後ルシェルとソファに座り ルシェルに抱っこされていた 彼の胸に頭を預け目を瞑る ルシェルの胸の中はとてもあたたかくて心地良い するとルシェルが頭にキスをしてきた 「浬はほんと可愛いよね~ 食べちゃいたい」 「……? 食べたいって血が欲しいの?いいよ」 「いや、そう言うんじゃないんだけど…… でもそうだな……頂こうかな?」 ルシェルは浬の首に牙を突き立てた そしてジュルジュルと浬の血を啜る 暫く血を飲んだ後今度は浬がルシェルの血を飲んだ 「ルシェルの血は他の人より美味しい」 「まぁ上位の吸血鬼だからだろうね しかし………」 言葉を言いかけたルシェルの目は血を飲んだと言うのにまだ赤く染まっていた そして彼は浬の頬を撫でると顔を近づけてきて 唇にキスをする 浬はビックリして彼を押し退けようとするもいきなりのキスで力が抜けてしまい何も出来ない ルシェルの舌が浬の口を割って中に入れてきて 舌を絡めてくる 始めてのそのキスは思った以上に気持ちよくて 上手く息も出来ず頭が回らなくなる 漸く唇が離れると浬の息は大分上がっていた 真っ赤な顔で見上げるルシェルは余裕の笑みを浮かべ手を頬へ添える 近くで見るその顔はとても綺麗で思わず見とれてしまう 「ル…シェル……?」 「ごめん、つい可愛くて」 「えっと……これはどういう……」 そう聞くとルシェルは申し訳なさそうな顔をした そして 「好きだよ」 そう答えた 浬は一瞬何を言われたのか分からなかった だって好きだと言われたのだから それはどういう意味での好きなのか分からない ただ弟のように可愛いの好きと恋愛で好きなの どっちなのだろうか? でもキスをされたのだからそう言う好きなのか もしそうであるならばそれは多分嬉しいことなのだろうと思う けれどどうしてだろう? 嬉しいのに心がモヤモヤするのは…… ルシェルの事は大好きだ しかし恋人になりたいかと問われれば迷ってしまう どうしてだろう? 「そんな身構えなくてもいいよ お前は俺をそういう風には見てないからキスまでにしとくから」 「…………っ!!」 ルシェルは浬の反応を見て楽しんでいるようだった けれどそれより彼はキスまでと言った ならばキスまでならするのだろうか? 疑問に思い恐る恐る聞いてみた 「キスはするんだ?」 「うん、俺が我慢できないから」 「……………」 浬は聞かなければ良かったのかもしれないと 少し後悔した

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