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第59話

ルシェルに好きだと言われた そして浬がその言葉に戸惑っていると知っていてキスまでならするのだと言うのだ 「ん……はぁ……ん……ぁ」 ルシェルに舌を入れられ口内を掻き乱され だらしなく涎を流している浬 それをルシェルは指で拭う こんなことをしていると嫌でも下まで感じてしまう 「ル……シェル…… ぃや、おれ………」 「何?そんなに感じちゃったの? 手伝ってあげるよ」 「やだ……」 ルシェルは完全に気付いているようでそんなことを言ってくるが それだけは絶対に嫌だった と言うかキスまでと言ったのにこれ以上されてはたまらない 浬はルシェルから急いで離れる 「はぁ……ん……」 下を鎮めるのに必死な浬を クスリと笑うルシェルに浬はムスッとした表情でソファに腰掛ける 「ごめん浬」 「………」 「そんなにムクれないでよ 浬の欲しいものあげるから」 欲しいものと言う言葉に反応する浬 そしてあるものが浮かんだ 先日アンディと話していて出てきたバラ園 是非見たいとルシェルに許可を貰おうと話していたことを思い出した 「バラ園」 「ん?」 「バラ園、アンディが言ってた綺麗だって 見たいんだけどダメ?」 「いいよ丁度今が見頃なんだよね これから見に行こうか?」 「うん!!」 それを聞いて先程の機嫌が嘘のようだ そしてルシェルと共にここに来て始めて外に出た ベランダには出ていたものの外に直に出るのとは違い地面を踏みしめる足がじわしわと心地良い 外の空気を噛み締めているとルシェルにおいでと手を差しのべられその手を取りバラ園のある方へ歩いていく そしてバラ園のある庭着き浬の目に映ったものは それはもう見事に真っ赤に咲いた赤い薔薇達 浬は走ってその沢山咲いている薔薇の中に駆け込んでいく 「お気に召して頂けましたか?」 「アンディ」 いきなり声をかけてきて振り返るとそこにはアンディがいた このバラ園はアンディが一人で管理をしているのだそう それを聞いた浬は何でもこなしてしまうアンディに感心してしまう 「凄く綺麗」 「そう言って頂けて幸いでございます」 「うん。薔薇も浬に喜んでもらって嬉しいって」 ルシェルが薔薇の花を一輪摘んで浬の髪に飾る 「やっぱ浬には白の方が似合うかな 今度は白薔薇を植えようか」

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