今度は白薔薇を植えようかとさらっと言うルシェル しかしそれを植えるのは結局アンディなのだろう 浬がそれはアンディの負担になるのではと言うと ルシェルが大丈夫だよと他人事のように答えた 浬はアンディに大丈夫なのか聞いたのだが大丈夫ですよと笑顔で言うのみだった 全然苦じゃない感じがまた凄い それから暫く薔薇を堪能した後 このバラ園でお茶にすることにした 薔薇に囲まれてお茶を飲むのは中々いいものだ そんな穏やかな時間の中ルシェルが動き出した ｢どうしたの？｣ ｢いや………｣ ルシェルの視線の先を見るとそこにはルイスがいた チラッとルシェルを見ると不機嫌な顔をしていたがすぐに笑顔を浮かべルイスを出迎えた ｢いらっしゃい いつも急に来るからビックリするよ｣ ｢だって驚かせたいから｣ そんな会話をしてる二人 楽しそうに会話するそこには浬は入れない 少し寂しさを感じる しかし兄弟の邪魔をしてはいけないと我慢する そんな所に屋敷の部屋に戻っていたアンディが 戻ってきてルシェルを呼ぶ ｢旦那様、実は―――｣ ｢そう……分かった行くよ ごめん少し戻らないといけない すぐ戻るから｣ そう言ってルシェルは屋敷に戻っていった そしてここには浬とアンディとルシェルの三人のみとなった するとルイスは浬に近づいてくる そんなルイスにアンディは警戒感を露にする ｢何故兄上はお前のような半吸血鬼など傍に置くのか理解できないな 兄上は愛着を感じるのかもしれないが所詮純血ではない｣ ｢…………｣ ｢聞いているのか!?｣ ｢…………｣ 嗚呼………昔こんなことをよく聞いたな 浬は貶されているにも関わらず過去の記憶に馳せて そんなことがあったと冷静に思った ルイスは何も言わない浬を不愉快だと浬に頬を平手打ちした ｢浬様!!｣ 慌ててアンディが駆けつけ浬を介抱する 過去に気を取られ目の前のルイスを忘れていた ｢何をなさるのですルイス様｣ ｢生意気なこいつが悪い いくら兄上の囲いものとて 目上の者への態度くらい躾けておけ｣ ｢ルイス様、浬様は＿＿＿｣ ｢アンディ、大丈夫だから ごめんなさい、不快な思いをさせてしまいました｣ ｢当然だ｣ ルイスの態度はあの時と同じような感覚に陥る 吸血鬼に強いたげられる嫌な記憶だ