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第83話

八尋の貫いた剣は相手の吸血鬼の心臓を抉る そしてその剣を引き抜くと吸血鬼は塵となって 消えた その後他の討伐隊のメンバーも八尋の元へ駆け寄った 「よくやった八尋」 「流石帳さんの弟子だ なんか動きとか帳さんっぽい」 「いえ、俺なんかまだまだです 今日は吸血鬼を討伐出来て良かったです」 討伐隊のメンバーからは褒められたが八尋は満足などしていかなかった 何故なら目的はヴァイドだ あのとてつもない力を持つヴァイドに勝つためにはこんなところで手間取っている訳にはいかない しかしこんなとこをしていてもきっとヴァイドに勝つことなど不可能だろう どうにか浬を救う手だてはないかと考えるが これといっていい案は浮かばない 何も出来ないのがもどかしくてイライラする 「どうした八尋?」 「いえ……何でもありません」 「そう、ならいいんだけど 折角初めて吸血鬼倒したのに浮かない顔してるし」 「すみません……」 「いや、そこ謝るとこか?」 それから本部に戻り詳細を報告する そして本部に向かう車に乗り込む 「にしてもスゲーよな 藜さんが会長になってから吸血鬼の討伐はスムーズだ」 「まぁそうだが、噂じゃ藜さん吸血鬼と繋がってるんじゃないかって話だぜ?」 「!! それどう言うことッスか?」 「知らね?なんかこう言う情報は吸血鬼から得てるとか言う噂だよ ま、ほんとかどうか分かんねぇただの噂だけどな」 吸血鬼と繋がっている それが本当ならそんな奴を信用していいのか? 元々藜自体が半分吸血鬼だ 何処まで信用できる? いや、それを言うなら浬も半分吸血鬼だ だがあいつは嘘とかつけなさそうな馬鹿で藜とは正反対な奴だ 兎に角藜の事は信用ならない 用心するにこしたことはない そんなことを考えているうちに車は本部へと着いた 車から降り本部の会長室へと報告へ行く エレベーターに乗り会長室へ着きノックをすると 入れと中から藜の声がし中へと入った 「吸血鬼の討伐終えました これ詳細書です」 「ご苦労、下がっていいぞ」 「はい」 今回の事を書いた書類を渡しこの部屋を出ようとする 書類に目を通す藜は淡々としている 本当に吸血鬼と繋がっているのだろうか 八尋は疑問をグッと心に閉まった

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