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第85話

あれから1ヶ月ほどが経って大分暑くなってきた 浬は未だヴァイドの所にいる それにいつも同じようにただ傍にいるだけ あれ以来襲われることは無くなったが より近くにいるようになった 彼は何を考えているのだろうか? これからどうするつもりなのだろうか? 浬は思いきって聞いてみた 「ねぇこれからどうするの? ずっと俺をここに閉じ込めるの?」 「なんだ?それほどにここから出たいか?」 「それは………」 出たいと言えばまた何かされるのだろうか? これまで何かされたのはあの時の一度だけだが 何か言うと同じことをされるかもと、 そう思うと怖かった 「別に庭までなら誰かと出ればいい」 「え、ほんと?」 「敷地の外には出られないよう結界を張っているから問題ない」 浬はヴァイドが外に出ていいと許可をした為彼と一緒に庭に出た そう言えばこんなことはルシェルの所でも同じだった ずっと軟禁状態でようやく庭に出れた そんなところを見るとヴァイドとルシェルは親子なんだと思う そして庭をヴァイドと一緒に散歩した 草木が風に靡いてざぁと音がする それと緑の臭いがまたいい香りだ 暫く行くとそこには咲き終わった薔薇があった それには浬は笑った 「ふふっルシェルと同じだ」 「何?」 「ルシェルの所にも薔薇があったから」 「そう……」 「親子だね」 「…………」 ヴァイドはポーカーフェイスで何も言わなかったが 少しため息をついたように見えて そんなヴァイドがなんだか面白いと思ってしまった そして気になっていたルシェルの事を聞いてみた 「ねぇルシェルは今………」 「さぁな?私の知ったことではない」 「息子なのに?」 「息子だからと言って必ずしも情があるわけでもない あいつも私に対して同じだろう」 そう言うものだろうか? 親子と言うものに今まで触れたことがなかった浬は なんだか虚しく感じてしまった

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