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第86話

二人の親子関係は分からないが いつか二人並んでくれるといいなぁと浬は思った その後はまた庭を散歩した やはり自然は心地よい そう言えばルシェルと大きな木に登って湖を眺めてたっけ その時がずっと昔のように感じた 彼処に八尋と行ってみたいと思った あの時八尋の手を取っていればそれが見られたのだろうか? 八尋は喜んでくれただろうか もう戻れない過去に馳せる 「どうした?」 「ううん、何でもない」 帰りたいなんて言えない 今はヴァイドの元にいなければいけない気がするのだ 根拠はないが折角穏やかな日々を過ごしているのだ けれどやはり八尋のことが思い浮かんでしまう 折角迎えに来てくれて仲良くなれるチャンスだったのにと…… 「お前はあの少年の元に戻りたいと思うか?」 「え?」 唐突に聞かれて驚いてしまった あの少年とは恐らく八尋の事だろう もしかして八尋の名でも口にしていただろうか? 気を付けなければ……… 勿論彼の元に戻りたい気持ちはある けれどそれを言ってしまって悪い方向に行ってしまうのではないかと浬は怖かった 「別に……思わない………」 「…………そうか」 それ以上はこの話題には二人とも触れなかった 浬は本当は帰りたくて仕方がない それでもその気持ちを心の奥底に仕舞った 「浬、今度出掛けるか?」 「え、いいの?」 「ああ」 「ほんと?」 「そう言っているだろう」 まさか外出許可がでるとは思わなかった それはヴァイドとお出掛けということか 浬は想像ができず妙に緊張する 何処へ行きたいかとヴァイドが聞いてくる 何処へ行こうかと浬は迷う 考えたら誰かとこんな風に出掛けるなんてなかった 帳と出掛けてもいつも食料や日用品の買い出しにしか行ったことがない そう言う友達もいなかった だから何処へ行けばいいのかも正直分からない 考えたら凄い寂しい人だ……… そうヴァイドに伝えると彼は微かに笑った 「なら私が勝手に決めていいか?」 「う、うん……」 何処に行くのだろう 凄く気になった

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