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第93話

あれから何度もヴァイドに行為を強いられ 身体も心も疲弊していた それから外出どころか庭にすら出してもらえず 浬の心は壊れる寸前になっていた ヴァイドが何故そうなったのか あの優しいヴァイドはなんだったのか 意味が分からずただヴァイドが来る度怯えていた そして今日も行為を強いられる 「あっ…あっ…ああっ……」 それでも諦めたような目をしないのが浬だ どんな目にあっても希望は持っていた 「ほらどうした? 素直に気持ちいいと言ったらどうだ」 「いや……ぁ……や…だ……」 「強情な奴だ」 そしてヴァイドの動きは激しさを増す 「あっ…あっ…んあっ…イッ…あっ…」 「イけ」 そして浬は精を吐き出した ヴァイドもそれからほどなくして浬の最奥へと精を流し込んだ しかし浬の体力はもう限界のようで 眠るように気を失った そしてヴァイドは気を失った浬を抱き抱えシャワールームへ運んだ 浬をゆっくり下ろし中に出したものを掻き出す 「ん……」 浬は気を失ってもなお時折反応するかのように声をだす それでも目覚めることは無かった 浬の身体を綺麗にしたところで体を丁寧に拭いて再び彼を抱えベッドへと寝かせた そしてヴァイドは部屋をあとにした 真夜中の事、浬は物音で目が覚めた 横にはいつも一緒に眠るヴァイドの姿はない 恐らくまだ書斎で何か仕事をしているのだろう いつもそうだった 眠るのは深夜で起きるときには浬よりも先だ それでよくも体力が持つと感心する浬 これも吸血鬼だからであろうか? そんなことを考えながら 外の物音が聞こえる方へ足を進める 窓を開けてみるとそこには蝙蝠がいた 「どうしたの?迷子……かな……?」 浬はその蝙蝠を道に迷ってこんなところに来たのかと思った だがそれは違ったようで蝙蝠は浬の回りをヒラヒラと飛び回る 「な、何?」 「おい」 すると懐かしい声が聞こえた 外を見るとそこにはなんと八尋がいた 「や…ひろ……?」 「お前を助けに来た」

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