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第95話

八尋の手を握り走り出す 彼の横に居られるのが夢のようで 現実じゃない気がしてしまう それでもこれは現実なのだと嬉しい 「あっちで帳が待ってる そこまで行ければ逃げられるはず」 「分かった」 二人は走った 兎に角気づかれる前に何とか逃げ切れるようにと 願いながら…… しかし 「待て!!」 「「!?」」 追いかけてきたのは双子の蝙蝠 と言うことはヴァイドにバレた マズいと思いながらも足を止めない 二人は息を切らしながら帳の待つ方へ走る 思ったのだがヴァイドの言う結界がない 今更気づいたがどう言うことだろうか? けれど今はそんなことを考えている余裕はなかった すると遠くに帳が見えた 他にも数人の協会の人達 そして協会の人達が双子に向かって攻撃を仕掛け 協会と吸血鬼の戦闘が始まった 「八尋、浬、こっちだ」 「帳!!」 協会の人達が戦ってる間帳に誘導され逃げる 戦ってる彼等が心配で帳に伝えると 大丈夫だと、問題ないと言い浬の手を引っ張り走る そして街中へと辿り着いた 走って疲れきって地面にへたりこんだ 「はぁ…はぁ…… ここまで来れば大丈夫か」 「ああ」 久々の二人は何も変わっていないように見える 懐かしくて心があたたかい 「八尋、帳、久しぶり 助けてくれてありがとう」 「ああ」 「ん……」 帳は笑顔で久しぶりと頭を撫でてくれた しかし八尋はそっけない どうやら照れているようで顔が少し赤い 二人とも歓迎してくれたようで浬はホッとした そしてこれからどうするかと言う質問をした ヴァイドがここまで追ってこないとも限らない 協会にいてもしそこが襲われたらと思うと心配だ 「ああ、これからなんだが 協会が私たちを迎えに来る予定だ」 「なんだけどな……」 八尋は言葉を濁した 何かあるのだろうか すると八尋は来いと浬の手を引き 駅に向かった そして切符を浬に渡した 「何処行くの?」 「さぁ?」 「へ?」 さぁって何処に行くのか決めていないのか? そしてすぐにやって来た電車に乗り込んだ するとそこへ協会の車が見えたが 彼らを放っておいてもいいのだろうか?

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