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第96話

協会の人が迎えに来ると言ったのに 電車に乗るなんて一体何を考えているのだろうか? 車窓から微かに見えた帳に協会の人間が問い詰めるような仕草 これはどう言うことだろう 「八尋」 「わり…… けどあいつの下には着けねぇ」 「何?」 八尋は苦い顔をしてそう言う だがそこには固い意思のようなものも感じる しかし八尋が何を考えて何をするつもりなのかまだ浬には見えない 「多分お前は知らないだろうけど 協会の会長になったのは藜だ」 「え?」 驚きだった まさか藜が協会にいるなんて でもどうして急に…… しかも会長になったなんて 浬は驚きと疑問でいっぱいだった それもそうだろう 一番会いたかった人がいきなり会長になったのだ 「藜が帰ってきたの……? しかも会長って……」 「ああ、前会長が決めた どういうつもりか分かんねぇけど」 前会長は確かもう高齢で引退してもおかしくない年だったと浬は思い出した しかしどうして藜を選んだのだろう いや、その前にどうして藜は何のために帰ってきて 会長になったのだろうか 浬の疑問は尽きない それは八尋とて同じだった 彼が何を考え何をするつもりなのかと だからこそ今ここにいるのだ 「いいか、聞け 藜は恐らく吸血鬼側と繋がっている 詳しくは分かんねぇけど」 「吸血鬼と……? どうして……」 「分かんねぇ 皆疑問に感じてるが異を唱えるやつはいない 何故ならそのお陰で吸血鬼の討伐が楽になったから けどおかしいだろ なんで吸血鬼は同胞を売る? 何かあるに決まってる だから俺はあいつの下には着けねぇんだ」 八尋は何を考えているのか分からない藜の元を離れ他のところへ行こうと考えていた そしてそんな藜の所に浬を置きたくないと 八尋は思った それは帳も同じだったようで 浬が今の藜の所にいたらいずれ何かに巻き込まれるのではと心配していた だから今回八尋に協力し二人を逃がしたのだ それに藜は何かと浬を気にしていた あの執着心のような……… 兎に角彼に今関わらせるのは危険だと判断したのだ それとこの方がヴァイドから逃げるにのは多少はマシかと考える 「なぁ俺と暮らそう? 守るからさ」 「八尋……」

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