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第98話
二人で生活を始めて一週間が経った
二人バイトをしながらの生活だ
家は事前に用意していたらしい
そんなに広くもないアパートだ
そして八尋はネットで色々やりながら昼間はコンビニでバイトをしている
一方浬はネットには疎くそう言うのは無理なため
昼ファストフード店で働いている
帳も援助をしたいと思ったが帳から二人の情報が漏れるといけないと言うことで通帳だけを貰った
だがまだほぼ手をつけていない状態だが
「八尋大丈夫?」
「あ?」
「だってあんま休んでないんじゃないの?」
「別に休んでるし」
「ずっとパソコンとにらめっこしてる」
「………」
八尋は朝も夜もパソコンに向かってばかりだ
そんなことばかりして食事も疎かになっている
だから浬は心配だった
これで倒れでもしたらどうしようかと
自分のためにここまでして申し訳なくなる
「八尋……」
「あ~もう、うるせー
大丈夫だって
お前は自分の事だけを考えてろ」
「…………」
八尋にそう言われたらそれ以上は何も言えなかった
だけど浬の血が足りなくなってきた
そろそろ血を貰わなくてはいけないのに本当に大丈夫なのだろうか?
「なんだ?血が欲しいのか?」
どうやら血が欲しいと言うような顔をしていたようだ
八尋がそう言った
八尋はいいぞと言うがこのまま血を吸っても大丈夫だろうか?
倒れたりしたらどうしようかと浬は戸惑った
その事を八尋に言うと大丈夫だからと
早くしろと促す
確かに八尋以外血を貰う相手もいない
血を貰わなくてはどうなってしまうかも分からない
仕方なく浬は八尋に近付いた
初めて八尋にこうして触れるのはドキドキした
カッコよくて男らしい彼に血を貰うと思うと胸が高まるのだ
藜や帳、ルシェルではそんなことはなかった
何故だろう?考えても分からない
「どうした?早くしろ」
「う、うん……」
緊張する
今まで無かったことが八尋に対してはあって
どうしたのだろうと戸惑う
綺麗な首筋、それを見ると欲しくてたまらなくなる
そしてそっと首に牙を立て
プツリと牙が刺さる
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