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第111話

ルシェルの兄ジル ジルはルシェルとは同じ母親だがルイスとは母親が違う その下に妹もいるが彼女とも母親が違う ヴァイドは計3人の妻がいる まぁジルにとってはどうでもいいことなのだが それよりもジルはヴァイドとルシェルが邪魔で仕方がなかった 何故なら自分が王になりたいから ジルは自分の上に誰かがいるのが気に食わない 自分が一番でないと気がすまない質だ だからその為にどうやって自分を脅かす二人を消すかと言うことを考えていた ヴァイドは恐らくジルでは勝てない ルシェルは今意識不明のままだが傍にはルイスが着いていて邪魔だ ルイスを先に消すことを考えたがルイスの母方の親類が叔父であるジェイドと親密なのだ 故にルイスを敵に回すと厄介だ そんな中ジルの元にある人物がやって来た 「貴様……一体何のようだ? 穢らわしい血め」 「おや、僕をご存じでしたか それはありがたい」 「前置きはいい 協会の会長が何のようだ?」 ジルの元へやって来た藜 彼はジルに怯むことなく柔和な笑みを浮かべている 藜が何を考えているのか分からずジルは警戒感を露にする それでも表情を変えることのない藜 「今日お伺いしたのはある提案がありまして」 「提案?」 「ええ、協会と友好締結を結びませんか?」 「なんだと?」 何の迷いなく提案してくる藜 その言葉に目を見開くのはジル 一体何故そのような提案などしてきたのか 何を企んでいるのか恐ろしさを藜に感じた 「ふざけるな そんなことをして何を企んでいる? 大体そんなもの俺に何のメリットがある?」 そう、ジルに一体なんのメリットがあるというのか けれど藜は本気のようだ 「メリットならありますよ」 「!?」 「貴方を王にしてあげます」 「…………なん…だと?」 王にするだと? ジルは何が何なのか頭が混乱した 「貴様らのメリットは?」 「ありますよ ヴァイドを消したいのです あれは我々にとって脅威以外の何者でもない 目覚めた以上、何をするか分かったものではないですからね、殺るなら今の内 寝起きでまだ本調子ではない今が絶好の機会 悪い話ではないでしょう?」 確かに協会も協力してくれるのならこれほどやりやすいのはない しかし本当に彼を信用してもいいのか…… 何かを企てている可能性もある 悩んだ末ジルが出した答えは 「…………いいだろう、その友好なんちゃらとやら 結んでやるよ」 「ありがとうございます」 ヴァイドを殺った後こいつらも片付ければいい ジルはそう考えたのだった

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