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第112話

頭がぼーっとする 一体何があったんだっけ……? ああ、父上にやられたのか…… 「………様 だ………さま……」 まだ頭のさえない中で自分を呼ぶ声がする 段々頭もはっきりしてきてうっすら自分を覗き込む誰かの顔が見えてきた ああ、彼は何だか懐かしい…… 「旦那様!!」 「アンディ………」 「良かった……目覚められて……」 涙を流しながら良かったと何度も呟くアンディ ルシェルはようやく頭もはっきりしてゆっくりと起き上がる そして泣くなよとアンディを慰める それからアンディから自分が眠っている間のことを聞いた どうやら2年もの間眠っていたらしい そしてヴァイドに浬が連れ去られたこと だが救出の際に八尋と共に何処かへと消えたことをアンディから知らされた 「俺が寝てる間にまた面倒なことになったね さ~てどうするかな?」 「それなんですが藜様がジル様と友好締結を結んだそうで……」 「……そう、まぁ彼にも色々考えはあるだろうけど 嫌な奴だね藜は」 ルシェルは笑ってそう言った きっと藜の考えを見透かしてそう言っているのだろうとアンディは思う しかしアンディにはどう言うことなのかは分からなかった 聞いてもその内分かると言われた そしてルシェルは手から分身の蝙蝠をだすと窓を開け飛ばした 「行け」 蝙蝠はルシェルの声と共に勢いよく飛び出し何処かへと消えてしまった そしてルシェルは早速動き出した 「どうなさるおつもりで?」 「ん?浬をね、迎えに」 「しかし今行方不明で」 「何、それほど探すのに苦労はしない あの子の気配を追えばいいのだから」 それが難しいのではとアンディは心の中で呟いた 「でも………父上が思ったより動いていないみたいだね 何を考えているのか……」 確かに、ルシェルが浬を見つけられると豪語するくらいだ なのにヴァイドは動いていない 何故なのか疑問が残る

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