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第114話

最近やたらと藜が協会を留守にすることが増えた 更に吸血鬼と繋がっていると言う話も本当ではないかと噂が広まっていた それに前よりもワンマンな言動も増えた 会議に出席しなかったり情報の提供もまばらになってきた 未だに浬に執着しているようで協会の皆が藜が会長に居座る事に不満を抱いていた そんな中藜はジルの元へとやって来ていた 「それで勝算はあるのか?」 「そうですね……あると言えばありますが 無いと言えばないです」 「……お前ふざけているのか?」 「まさか 思ったままを言っただけです ですが、そうですね…… 貴方はヴァイドの意識を引き付けている隙に 我々が囲い込みましょう」 そんな安易な方法でヴァイドを殺せるのだろうかと 藜を作戦を疑うが他にいい方法もない それに折角のヴァイドを倒せるチャンスだ それを逃す事などできない 「それでいい ただし100%まで持ってこい 絶対だ!!」 「努力します」 そして藜はジルの元を去ると今度は目覚めたばかりのルシェルの所へやって来た ルシェルは目覚めたばかりと言うのに眠っていた間のことを全て把握している それもアンディのお陰なのだろう 「どうなのそっちは」 「ああ、問題ない あとはお前次第だ」 「そう 全てはあの子のため その為にお前を選んだけどいつの間にかあんたも絆されてたのかな?」 「さぁ?でも君には感謝してる 僕を拾ってくれたのはお前だ 何でもするさ」 そう藜は昔ルシェルに拾われていた それはもう40年も前の事 藜はまだ協会に従事して吸血鬼を狩っていた 吸血鬼である自分の父を憎みいつか殺すことを誓っていた 父は人である母と藜を置いて消えてしまった そんな中ようやく父を見つけると彼は協会のリストに乗っていた これでようやく復讐ができると父と対峙し父を殺した だがその際の事 父は血で真っ赤に染まった手を藜の頬に触れると "愛してる"とそう言って散っていったのだ 復讐を遂げたはずの藜は無力感に苛まれた 何のために今まで父を追い続けていたのか 藜は協会を出て放浪することを選んだ しかしずっと誰の血も飲んでいないため 身体がおかしくなり始めていた 終いには誰もいない路地で倒れてしまった そんな時だった 「ねぇ君、血が欲しくない?」

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