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第115話

倒れていた藜の元へやって来て血が欲しくない?と訊ねてくるルシェル 意識が朦朧としているなか藜は感じたことのないルシェルのオーラに気圧されていた そして藜はそのまま気を失ってしまった 目が覚めるとそこは何処かの家のベッドの上 驚いて起き上がるとそこには先程の吸血鬼がいた 「お前は………」 「俺はルシェル・クロー クロー一族の者だ」 道理で彼の放つ気は異様なものだと思った しかしあのクロー一族の吸血鬼が何故藜を助けたのか…… いや、何かを企んでいるのだろう 藜はそう思った 「何が目的だ?」 「目的?ははっ、ただの気まぐれだよ だってお前強いだろ?いい犬が手に入ったと思ってね」 そう笑顔で答えるルシェル ルシェルは従順な下僕(げぼく)が欲しかったのだと言う そして倒れていた藜を見つけ拾ったのだと 「お前を助けたのは俺だ お前は俺のもの いいか?お前は俺を裏切れない」 「いいだろう 何でもしてやる どうせ僕には行く宛もないから」 それからルシェルにはいろんな事をさせられた アンディと共に身の回りの世話もそして夜の相手もさせられていた そしてそれから数年がたった頃 ルシェルの家に彼の叔父だと言うジェイドがやって来た 「やぁ、見ない顔だね 君はルシェルの付き人かな?」 「ええ、まぁ………」 「ふ~ん……そうか……」 ルシェルが席をはずしている間に彼が藜に話しかけてきた 彼はどうやら人に対して嫌悪感は抱いていないらしい それから会う度にジェイドは藜に話しかけてきた そしてある日ルシェルがいないところでキスをされた 「……っ!! 一体何を………」 「いやね、君僕の好みだからつい」 「好み、ですか……?」 「ああ君を抱いてみたい」 そう耳元で囁かれた そしてとある日の事 ルシェルはこう藜に命令した 「ジェイドを引き込め」 ルシェルは知っていたのだ ジェイドが藜を気に入っていることに だから藜はジェイドに幾度となく抱かれた 彼は未だに謎が多い人物故に彼の考えていることが 多少垣間見えるのではないかということ それに父の弟だ、何か面白い情報でも握っているのではないかと

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