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第116話

それから何十年彼の下僕として傍にいたある日浬が地下に囚われており 自分は動けないからとルシェルは藜に浬の救出を命じた こうして藜は浬を吸血鬼から救いだしずっと一緒にいた そして現在に至る―――― 「さてジル殿 実行に移すとしましょうか」 「ああ……」 ヴァイドを殺すための作戦を開始した 藜は協会の皆を引き連れヴァイドの屋敷を囲った それからジルと藜はヴァイドの待つ屋敷の中へと入っていった すると玄関にはヴァイドが立っていた どうやら最初から気づかれていたようだ しかしそれも想定内 二人とも慌てはしない 「よくも人の家にずけずけと入れたものだ」 「………」 「死ねヴァイド てめぇは邪魔なんだよ」 「全くそれが親に向かって言う言葉か…… 仕方のない子供だ」 ジルの挑発的な言葉にヴァイドは表情は変えない ヴァイドはゆっくり目を閉じる そしてばっと目を開けたかと思うと二人に襲いかかった 「……っ!!」 間一髪避けるがヴァイドの動きは速い 間髪開けずに二人に襲いかかる 藜を捉えると壁へと投げ飛ばし壁がばらっと蜘蛛の巣のようにヒビが入る その間にジルは一瞬にしてヴァイドに詰め寄り拳を振りかざす しかしヴァイドはその拳を片手で受け止めた だが多少のダメージを食らわせたのか ヴァイドの顔が歪む そして二人とも間を開けた そこから暫くの沈黙が続く 息を整えた直後藜は銃を取りだしヴァイドを狙い打つ しかしそれもヴァイドの腕にかすったのみだ だがその一瞬の隙にジルが詰め寄った そしてヴァイドの左腕を吹き飛ばした 「……っ」 片腕を失ったヴァイド それでも流石吸血鬼 まだまだ余裕の表情を浮かべている 一方ジルの方は大分息が上がってきた そしてこれが最後の攻撃だとジルは大きく息を吸い吐き出した 「死ねヴァイド」 二人は勢いよく飛び出し激突した するとジルはその戦闘から一歩二歩と後退した 藜が合図し周りから銃弾を撃ち込まれるのを待っていた これで勝ったと、ジルは思った だがその期待は裏切られる 玄関の外から入り乱れる大人数の協会の者の持っているその銃口が ジルにも向けられておりその瞬間藜は撃てと合図をした しかも後ろにはルイスとその派閥の吸血鬼が複数 彼らがいることで協会はルシェルと手を組んでおり 最初から自分ごと葬るつもりだったのだとジルは理解した

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