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第2話

「……って、これがお土産じゃないでしょうね?」  買ってくるならリンゴ飴とか焼きそばとかを買ってきてくれればよかったのに、何故よくわからないものを買ってくるのか。 「あ、それは大丈夫だ。ちゃんとチョコバナナやたこ焼きも買ってきてるからな」  と、市川が二本のチョコバナナを取り出す。  夏樹はそれを一本受け取ってかじり付いた。  美味しいことは美味しいが、どことなく味気ない。こういう食べ物は、祭り特有の雰囲気も大事なのだ。やっぱり市川と一緒に行ってその場で食べたかったな……と密かに思う。 「……で、これは結局何の種なんですか?」 「それは撒いてからのお楽しみだってさ。何が育つかわからないから、『○○の種』だそうだ」 「あ、そう……」  小袋の口を開けてひっくり返すと、中からもやしの種のようなものが出てきた。はて、鉢に植えたら最終的にもやしになるんだろうか。 (……でも、もやしって鉢に植えるんだっけ?)  なんか違う気がする……と思い、裏の説明書きを読んでみた。そこにはただ「鉢に植えて育ててください」と書いてあるだけで、特にこれといった注意書きは書かれていなかった。 「まあ、実際に育ててみればわかるだろ。早速植えてみようぜ」  市川はベランダから空いている植木鉢を持ってきて、そこに土を詰めて種を蒔き始めた。  そう言えば小学生の時は朝顔を育てたもんだなぁ……と思いながら、夏樹も種蒔きを手伝った。  最後にじょうろで軽く水をやり、市川が軽く手を叩いた。 「よし、これで完璧だ! というわけで夏樹、風呂入ろう」 「……は? なんでですか。風呂は関係ないでしょ」 「土いじりして指先汚れただろ? 夕飯前に風呂入った方がいいじゃん」 「そんなの、普通に手を洗えばいいじゃないですか!」 「まあまあ、つべこべ言わずに。身体の隅々まで綺麗にしてやるから、な?」  反論する前にひょいと横に抱き上げられ、夏樹は足をばたつかせた。 「ちょっ……嫌だ! 下ろせ、変態教師ぃぃ!」  この後夏樹は市川に風呂場に連れ込まれ、案の定散々喘がされる羽目になってしまったのだった……。

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