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奏多の怒り① R18
陽太が出ていった扉をモニター越しに見つめる。
別に気が変わって戻って来るのを待ってるわけではないが。
玄二は下を向き何を考えているのか。
琥太郎が声を掛けてくる。
「行きましょう」
自分の上着を羽織り、御大層に奏多の上着を両手で差し出す。
「あっさり付いてったのが気にくわない?」
態度とは裏腹な言葉で図星を突かれ、奏多の眉間により一層皺がよる。
「一度決めたら躊躇わない、あいつは」
幼いころから、猪突猛進なところがあった。思い込みが激しいというか。
上着をひったくり袖を通した。
「若頭、あまり酷いことは…」
顔を上げた玄二が縋るように奏多を見る。
鋭い眼差しで一暼すれば
「しし、失礼しました!」
90度に腰を折る玄二。
人を黙らす圧倒的なオーラを持つ奏多。
スーツをモデルの如く着こなした奏多は強い足取りで外へ出ていく。
琥太郎の舎弟が運転する車の中は冷え冷えとして助手席の玄二はでかい身体を縮こませて座っている。
まるで、極寒の地を走っているように。
原因は目を瞑ったままの奏多。
身体から冷気を吹き出している。
「Nホテルにチェックインしたようです」
最初は笑い混じりに話していた琥太郎も肩を竦め黙りこんだ。
「上のバーで少し時間を潰しましょう」
琥太郎の声に誘われてNホテル最上階にあるバーへ。
一歩中に入ればジャズの調べが聞こえてくる。
「いい雰囲気でしょ」
「あぁ」
琥太郎は常連なのか、何も言わずとも黒服のボーイに端の目立たぬ、しかし夜景が一望できる席へ案内される。
「ここはオールドボトルが豊富なんだよ」
琥太郎が琥珀色のグラスを掲げて。
「確かに美味いな」
グラスを傾ければ少しは苛立つ感情も削がれるか。
グラスを傾けながら、夜景を眺めた。
しばらくして。
また琥太郎のスマホが振動する。
「風呂へ入ったそうです」
「案内しろ」
収まったはずの苛立ちが一瞬で怒りに取って代わる。
怒りのオーラを纏った奏多を誰も止めることは出来ない。
同じ若頭の琥太郎さえ、口は挟まず黙ったまま。
琥太郎がカードで開けた部屋には陽太の今夜の相手山𥔎。
深い礼をして待っていた。
「世話かけたな」
「とんでもございません」
「隣か?」
「はい」
上着を脱いて、ソファーへ放り投げた。
「琥太郎」
「尻から入れるのは弱くても自分もやられるから」
「ああ」
琥太郎から坐薬に似た薬剤を受け取り隣の寝室へ。
寝室には手枷をされ四肢を押さえつけられた陽太がいた。
ベッドに上がり陽太の脚の間に入り顔を見下ろせば、アイマスクの色が、変わるぐらい涙が染み出ていた。
ボールギャグのはまった口元は涎で、ベトベトだ。
阿保が。
頬を撫でれば、顔が震えた。
ボクサーパンツを一気に脱がせ小さな蕾に薬を押し込んだ。陽太は必死に暴れようとするが三人ががりで押さえられては動きようがないのだろう。
必死に叫んでいるが、何を叫んでも言葉にはならない。
陽太に足枷を嵌めベッドに放置。
押さえつけていた、山𥔎の舎弟にも外に出るように視線で合図して。
ソファーにゆったりと座り琥太郎が待っていた。
その前に腰を下ろす。
「10分ぐらいかなぁ、効きだすの」
ニヤリと笑う琥太郎。
「今回はありがとな、助かったわ」
「はいはい。帰りますよ」
琥太郎の後ろで直立不動の四人も動きだす。
「お手柔らかにしないと嫌われますよ」
立ち上がりカードキーをテーブルに置く。
誰もいなくなったリビングスペース。
窓の外は夜景が広がっている。
陽太はこの夜景を眺めただろうか?
どうせ陽太のことだ、子供みたいに窓に飛びついただろう。
さて、そろそろか。
寝室の扉を開ければ、暴れまくったのだろう、陽太がベッドから今にも落ちそうだ。
陽太を抱え、ベッドの真ん中に。
足枷を外して脚の間に陣取れば、面白いほど、陽太が全身を使って震える。
首や鎖骨のあたりはほんのり桃色になっている。
ボールギャグを取ってやると掠れ声で
「山𥔎さん、やめて!」
山𥔎には奏多と同じ匂いを纏らせた。
いつ、山𥔎ではなく奏多とわかるだろうか、自分を犯しているのが。
半分脱げかかっているバスローブの紐を解き前を開けると陽太に見合った可愛いペニスがピョコンと存在を誇示する。
使ったこともない綺麗なピンク色、先端から蜜を零している。
おもむろにそのペニスを掴むと泣き出した。
「いや、嫌だ…」
陽太の膝を自分の脚で固定して口付けた。陽太が小さな頃よくしていた啄むキスではなく、口腔を舐め回す大人のキスだ。
「あっあっあっ…」
陽太からキスの合間に喘ぎ声が漏れる。
口内も性感帯の一つだ。媚薬を仕込まれた身体なら尚更だろう。
後ろ手に手枷をされてるせいで突き出された小さな尖に吸い付けば
「ヒッ!」
と、息を飲む。
可愛いなぁ。
左手を背中に回し身体を浮かせ右手でペニスを愛撫しながら胸をの尖を執拗に舐め回す。
幼い頃は一緒に風呂にも入って何の拘りもなく見ていた身体。
陽太が精通を迎えた頃からまともに見れなくなって。
こんなことなら、最初から開き直ってればよかったか。
全身に口づけを落とし赤い跡をつけ、満足してから、ピンク色のペニスを口に含んだ。
「やめろ!」
こんな力があったのかというほど脚をばたつかせる。
まぁ、必死なんだろうなあ。
太股をパチンと強めに叩けば、泣き声をあげる。
「う、う、う…」
紅い手の跡がついた。
今まで陽太には手を上げたことは一度もない。
十二才の頃辛い思いをした。必要以上に気をつけていた。
俺から叩かれたと知れば別の意味で驚愕するだろう。
「ふふ」
思わず笑い声が漏れてしまった。
「かな…たん…?」
涙に濡れた縋るような声色。
おっと、やばい!
再度ペニスを口に含み、吸い上げた。
「あっあっ…あっ、いや、放し…で、でる!」
呆気ないほど若いペニスは奏多の口内に白濁を吹き上げる。
「あー…」
悲鳴というよりも諦めの声が陽太の口から漏れる。
まぁ、仕方ないぞ陽太。弱いといっても媚薬を仕込んでるからな。
それより、俺もまさか陽太のザーメンを飲むとは想像しなかったがな。
自失する陽太を裏返して腰を上げさせる。
左頬をシーツに密着させて、微動作さえしない陽太。
尻を左右に開けば小さな蕾が見えた。
気を利かせた琥太郎が用意したローション。
サイドチェストの上からから取り、掌に落とした。
さぁ、これからが本番だ。
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