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「…んっ…あ…」  胸の小さな一部が舌で嬲られ、甘噛みされて、吸い上げられる。片方も手塚の指先で捏ねられ、ほころんでいく。 「麻生さんのここ…もっともっとってねだってくるみたい」 「同じとこばっか…、あっ……やだ…っ…て…」 「だって、健気で可愛いよ。薄いピンクで綺麗だし、あ、ちょっと紅くなったかも、ぷくってなって」 「ば…かっ…うるさいっ…そんな…んっ…じっと見るな…」  舌と指で交互に可愛がられ、絶えず甘ったるい吐息を零してしまう。  ちゅぶちゅぶと音を立てて唾液を絡め執拗に突起を転がされると、胸も熱いが違うところが発熱する。熱どころか体の奥から這い上がってくるような快感に侵食され、触れられてもいないところが反応する。 「下、触って…、も…、絶えらんない…っ…」  下腹部の疼きに限界を感じて、ストレートに伝えるほかなかった。  自分でコットンパンツのファスナーを下ろしていると、手塚が手を貸してきて下着と一緒にあっさりと抜き取ってしまった。ついでのようにTシャツも脱がされ、男の前に完全に裸体を晒す。  自分も着ていたものを全部脱いでしまった手塚が、やっと麻生の反り返る程の立ち上がりに指を絡ませた。切なく泣いているみたいに先からたらたらと蜜をこぼして、上下させる手塚の手を濡らす。 「麻生さん、気持ちいーことには素直だよね」  いつもなら憎まれ口のひとつもたたいているところだが、急速に発情していく体についていけず、それどころじゃない。 「やっ…あぁ!だめっ…あ、あっ…っん!」  必死で手塚の首元にすがるようにしがみつき、背をしならせ腰を震わせる。単純な手淫にぐずぐずに溶かされて、おかしくなりそうだった。目のふちに涙が溜まっていく。 「……佳純っ…!」  腰を反らせ、手塚の手を勢いよく白濁で汚す。細かく痙攣する体を手塚はなだめるように優しく包みこんでくれた。こめかみにそっと唇をつけ、髪を撫でてくれる。大丈夫?と尋ねる低い声に返事もせず、滑らかな手塚の背を抱きしめた。  こんなことは初めてだ。大きな快感の塊が体内で次々爆ぜ、信じられないほどの速さで上り詰めた。最後は訳がわからないほどの大きな波に飲まれた。

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