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 目が覚めて黒髪の手塚に見惚れていたら、三度目のアラームが鳴った。シーツの頭のところに置かれているスマホの画面に、急いで指を滑らせる。ベッドから抜け出そうと手塚の向こう側に手をつくと、腰にゆるりと男っぽい腕が絡められた。 「起こした?」 「んー」  手塚の腕はTシャツとパンツの隙間から素肌に滑りこんでくる。返事代わりなのか、臍の横のあたりをべろりと熱い舌で舐められた。眠たげな空気を擦り付けるように顔ごと素肌に埋めてくる。そのままぎゅうと腰を抱き寄せられ、腹を甘噛みされた。 「くすぐったいって…」  微睡みの中の遠慮のない愛撫に身を捩る。するりと躊躇なく股間を撫でられ、逃げるように腰を折った。 「…なんでちょっと勃ってんの?」 「気持ちーからに決まってるだろ」  尻の下を包み込むように両手で揉まれながら、ベッドの上方に体を逃す。そうすると朝から少し反応したところが手塚の腹と胸に擦れて、湿り気のある息を漏らしてしまった。 「…ぁ…ん……」 「気持ちいいのって認識のひとつだよね。体と頭が反応して、あーこれは気持ちいいんだって覚えるの。なんでだろう」  愛しい男の拘束をすり抜ける途中、片腕で腰を強く引き寄せられ、脚の間の膨らみを薄い布地の上から食まれた。篭った息に包まれて、びくりと体をしならせる。  危険な挑発をかわし、半分眠りに溶かされている男の頬を撫でる。 「感情と本能だろ。両方ないと気持ち悪い。抱きしめられるだけでも気持ちいいけど、中にお前がいるとすごい気持ちいいだけじゃなくて、切ない」 「…聖さんの中に入りたくなった…ひどい…俺のこと置いていくのに」  珍しく手塚が未練がましいようなことを言って、本気でない調子で麻生を責める。

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