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手塚のものを含んだ下腹が快感に波打つ。淫らな腰の揺れをどうやって止めていいのか麻生にはわからない。ドアの前でもつれ合っていた時とは反対に、硬くした性器に最奥まで貫かれたまま、愛しい男を見下ろしている。
中は一度達した手塚の精液で潤され、ふたりの動きに合わせてじゅぷじゅぷと卑猥な音を立てていた。時折泡立った体液が結合部から溢れ漏れ、男の下生えを濡らす。その溶け合うような感触がひどく麻生の気持ちを高めていた。
ほとんどの場合コンドームを用意している手塚に、つけないで欲しいと頼んだのは麻生だ。目を伏せてはにかむだけの返事をする男を可愛いと思った。今はその可愛さの片鱗も見せず、情欲に濡れた瞳を向けてくる。
「すごい柔らかくてとろとろなのに、絡みついてきゅうきゅうに締めてくる。すごいやらしい…」
「…お前なぁ!恥ずかしいこと言うな…。…あ…っ」
生々しい手塚の言葉に羞恥心を煽られ、麻生は本気で咎めているのだが、内側の粘膜はそれを聞いて喜ぶように収縮し熱い昂りをますますきつく喰い締める。
手塚に抱き上げられて、ドア前からやっとベッドに移動した後、いつもより少しだけ手荒いやり方で『ぐちゃぐちゃに』された。『手加減しない』と言っておきながら、手塚が麻生を身勝手に抱いたことは一度もない。
ただ今日は一度達しただけでは収まらず、繋がりもとかないで『ねぇ、もう一回』とねだるように囁かれた。手塚のハスキーボイスに麻生は弱い。
お願いを受け入れる形で引き締まった手塚の腰に乗せられたが、麻生の方こそもっともっとと求めているのが丸わかりになるほど、体のどこもかもが正直に反応していた。
下腹部の自身の勃ち上がりを目にして、何とも言えない気持ちになっていることすら手塚には見透かされている。
「聖さんの体はもう喜んでくれてるみたい。俺が中にいると嬉しいって」
柔らかく指を絡められただけでますます硬くしてしまい、減らず口がたたけない。事実、体は嬉々として、自重による以上に積極的に男の昂りをもっと奥へと飲み込もうとうねっている。
子供のような口ぶりで人をからかったりする手塚だが、こういう時はちゃんと押し引きを心得ていて、仕草や表情で自分も嬉しいのだと伝えてくれる。だから安心して身を委ねてしまえる。
「あっ…あ、あ…っ…」
柔らかいところを下からゆっくりと穿たれると、そこから響くように快感が身体中に広がる。もっと刺激が欲しくて、欲に任せてさらに過敏な奥を晒した。
「…気持ち、い…もっと…っあ!…っ…」
ぐっと腰を入れられ、まっすぐ突き抜けた刺激に麻生は背筋を反らせた。揺すり上げられながらその動きに合わせ腰を揺らすと、下肢の間で快感を主張するものが蜜を散らして弾む。いくら乱れる姿を全部手塚に見せていても、はしたなくふたりの肌を濡らす自分に、恥ずかしさと気持ちよさの間で気持ちがゆらめく。
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