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大切な 第12話

「あの・・・わっ、今言った事は忘れろ。」 「えっと・・・すまない。俺が変な質問したから・・・けど智明が同性同士の恋愛に偏見がないのが分かって良かったよ。」 「同性同士の恋愛が何かあるのか?」 同性同士の恋愛。 どうして奏悟は僕に聞いてきたのかまだ理解が出来なかった。 「俺さ、付き合ってる人が男なんだよ。1つ年上ですごく可愛い人なんだ。」 奏悟は少し照れ笑いをして幸せそうな表情になったかと思うと直ぐに泣きそうな顔になる。 そんな奏悟の態度を見て僕は最初は何を言ったのか理解出来なかったが落ち着いてきたら理解が出来た。 奏悟は異性じゃなくて同性と付き合っている。 「言いたくないならいいんだけどお前をそんなにしたのは、その・・・彼氏?・・・付き合ってる人なのか?」 僕の言った事に奏悟は答えようとするけれど言葉よりも先に奏悟の目から涙が大量に零れ落ち出した。 「落ち着いたらで良いからそこで座って待ってろよ。僕、お腹空いたから何か作ってくるよ。」 奏悟は目を擦りながら頷いた。 まるで小さな子供が泣いているように見えるのはいつもの奏悟と違うからか? 凄く弱々しくて見ている僕まで泣きそうになるんだよ。 奏悟を泣かせる男が許せない僕ならずっと側で奏悟を笑顔にさせてやれるのに僕なら奏悟にこんな悲しい顔をさせない。 そう思ってハッとした。 これって好きだって事なのか? 泣かせたくない大切にしたいとか思う気持ちが溢れ出し奏悟の愛してる相手が許せないと思う。 けれどこれが本当に好きだとかいう感情なんだろうか?

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