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大切な 第5話

さて、どうしたら奏悟を僕の上から退ける事が出来るのか? 横を向いて眠り続ける奏悟の顔を見る。 綺麗に整えられた眉毛は凛々しくて太くも細くもない丁度良い。 目はくっきりと二重だが切れ長なので男らしく見える。 鼻は高くてだが嫌味がない本当に綺麗な顔立ちでモデルをしていると言っても通じるし現に僕と歩いている時にもモデルに間違えられたくらいだ。 秘書課に配属になったのも理解ができる。 あそこの社員は綺麗なモデル並みの女性や男性で集められていると言っても良いくらいだ。 総務部は人柄が良い人は多いがモデル並みの社員はいない。 秘書課もそうだが営業部とかもモデル並みの人が沢山いたよな? それに営業部とか企画部はデキる人間が集められていてるし容姿はモデル並みと来たら非の打ち所がない。 僕なんて非ばっかりだ。 こんな人達はミスなんてしないんだろうなぁ〜。 よく考えたら僕は何の取り柄もないのに何故かこの会社に勤められている。 本当に不思議だ。 以前に奏悟にその話をしたら鼻で笑われて鏡を見ろと言われた事がある。 鏡を見たがそこに移る姿は男なのに女に間違えられる自分の姿。 身長も低くて体の線は細くて弱々しく見える。 奏悟と並んで鏡に映れば一目瞭然でそんな僕は恥ずかしくて奏悟と並んで鏡に映る姿を見れなくなってしまった。

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