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第1話-4

「え?」  驚愕の表情と怯えた声。上にのしかかられ、笑っていた顔がひきつる。構わずズボンのベルトを外そうとすると、慌ててササキの手を押さえつけた。 「ちょっと待って!なに?どういうこと?」  今更何を。 「遊んでくれるんだろ?」  そう言うと、彼はさっと青ざめた。 「ち、違う違う!そういう意味じゃないって!」  ジッパーを下ろしてズボンを脱がせようとすると、涙目になりながら、いやいやと首を振った。  じゃあどういう意味だったんだ。 まさか本当にカラオケに行くだけとか、女子高生みたいなことを考えていたのだろうか。 なぜ家に上げたと思っているんだ。馬鹿かこいつ。 「ちょっと待って!俺そんなつもりじゃ……」 「そういうのいいから」  強引にベッドに体を押し付けると、上にのしかかり逃げられないように体重をかける。 「ちょ、ほんとに!無理無理無理!」  ぎゃあぎゃあと喚きながら、手と足をバタバタと動かす。なんだか面倒くさくなってきた。 「お前が誘ったんだろ」 「だからそれは……」  青ざめた顔のまま、何とか逃げ出そうと、ササキの体をぐいぐいと押してベッドの上までずりさがる。構わず股間に手を這わせると、びくりと体を強張らせた。 「俺ゲイじゃないから!」 「そう。別にどうでもいいよ」 「や……」  涙を流しながら、ぐいぐいとまだササキの体を押し返そうとする。べそべそと泣いて、この場を回避しようとしているのか。飯も食わせたし、泊めてやるつもりだ。そうはさせないと、ズボンを下ろす手に力をこめた。 「お、お金!お金払うから!だから許して!」  手を止めて、彼を見下ろした。 「お金持ってないんじゃなかったのか?」  持っていたのだとしたら、こんなことをする必要がない。嫌がっているのはフリなのか。なら多少無茶をしても許されそうだ。 「せ、千円なら……」  ズボンを強引に引っ張って無理やり脱がせた。 「待って!待って!ごめんなさい!許して!」 「黙れよ」  口に噛みつくようにキスをする。 ふわりと香るシャンプーの匂い。 すこし気分が上がって、もう一度噛みついた。

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