4 / 25
第1話-4
「え?」
驚愕の表情と怯えた声。上にのしかかられ、笑っていた顔がひきつる。構わずズボンのベルトを外そうとすると、慌ててササキの手を押さえつけた。
「ちょっと待って!なに?どういうこと?」
今更何を。
「遊んでくれるんだろ?」
そう言うと、彼はさっと青ざめた。
「ち、違う違う!そういう意味じゃないって!」
ジッパーを下ろしてズボンを脱がせようとすると、涙目になりながら、いやいやと首を振った。
じゃあどういう意味だったんだ。
まさか本当にカラオケに行くだけとか、女子高生みたいなことを考えていたのだろうか。
なぜ家に上げたと思っているんだ。馬鹿かこいつ。
「ちょっと待って!俺そんなつもりじゃ……」
「そういうのいいから」
強引にベッドに体を押し付けると、上にのしかかり逃げられないように体重をかける。
「ちょ、ほんとに!無理無理無理!」
ぎゃあぎゃあと喚きながら、手と足をバタバタと動かす。なんだか面倒くさくなってきた。
「お前が誘ったんだろ」
「だからそれは……」
青ざめた顔のまま、何とか逃げ出そうと、ササキの体をぐいぐいと押してベッドの上までずりさがる。構わず股間に手を這わせると、びくりと体を強張らせた。
「俺ゲイじゃないから!」
「そう。別にどうでもいいよ」
「や……」
涙を流しながら、ぐいぐいとまだササキの体を押し返そうとする。べそべそと泣いて、この場を回避しようとしているのか。飯も食わせたし、泊めてやるつもりだ。そうはさせないと、ズボンを下ろす手に力をこめた。
「お、お金!お金払うから!だから許して!」
手を止めて、彼を見下ろした。
「お金持ってないんじゃなかったのか?」
持っていたのだとしたら、こんなことをする必要がない。嫌がっているのはフリなのか。なら多少無茶をしても許されそうだ。
「せ、千円なら……」
ズボンを強引に引っ張って無理やり脱がせた。
「待って!待って!ごめんなさい!許して!」
「黙れよ」
口に噛みつくようにキスをする。
ふわりと香るシャンプーの匂い。
すこし気分が上がって、もう一度噛みついた。
ともだちにシェアしよう!