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第159話
眠たいと言うユキとベッドに入ってユキをポンポンと撫でながらやっぱり悩んでいた。
ユキといるのに、ユキのことで頭がいっぱいになってくれない。思いきりユキを抱きしめるとユキは驚いて体を震わせた。
「…命…ぎゅー、痛い……」
「んー…ユキぃ…」
「…僕…ねむねむ…」
「そうだよな、ごめん。」
ユキを抱きしめる力を緩めてユキのふんわりした髪に鼻を寄せた。ユキはくすぐったそうにしながらも俺を咎めたりしないでゆっくり目を閉じる。
「……好きだ」
俺のユキに対しての好きは愛してるの好きだ。俺自身がこの言葉を口にする、それだけで心が温かくなる。ましてやそれをユキに言われると抱きしめたくなるし、キスしたくなるし───触りたくなる。
「……ふふっ…僕も、好き…」
ああ。
ユキに触れたい。
***
朝、カーテンの隙間から漏れる光が目元にダイレクトに当たって眩しい。
「ん…」
ユキの腕が俺の背中に回っていて思い通りに動かすことができない。けれど目の前に広がるユキの寝顔はすごく可愛くて優しい顔をしていて、思わずそっと触れるだけのキスをする。
途端ゆっくりと目を開けたユキ。おとぎ話のあの物語みたいだ。眠っているところをキスされると目を覚ます、昔聞いたことがあるその話を思い出してクスっと笑う俺はフワーとあくびをしたユキの額にもう一度キスを落とした。
「…おはよう、ございます……命ぉ…」
「おはよ」
眠たそうに大きな目を細めて俺の胸にグリグリと額を押し当てるユキ。しばらくしたら動きが止まり規則正しい呼吸音が聞こえてきて、もう少し寝かせてやろうと肩まで布団をかけ直してやる。
「ニャー」
「……シロもおはよ」
ちょうど俺とユキの上辺りに丸くなって寝てるシロに手を伸ばして撫でるとシロも大きな目を細めてこてんと寝てしまった。
「………」
やっぱりシロとユキって何となく似てるよなぁ。
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