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第170話
一通り見終わって売店に寄る。ユキは早速イルカのぬいぐるみを見つけて、大中小あるうちの中を選んだ。ユキの腕に収まっている。
「それでいいのか?」
「うん!僕の、お友だち」
そんなユキからイルカを一度預かって会計を済ます。
「腹減ってないか?」
「すいたぁ…」
「何食べたい?」
「うーん…あ!ハンバーグ食べたい!」
ならファミレスでいいか。
水族館を出てここから一番近いファミレスに向かった。
「ハンバーグ、ハンバーグ!」
「ハンバーグにも種類があるんだって。どれにすんの?」
「ハンバーグ…」
「だから…」
そんな会話をファミレスに入って席に移動してから結構な時間続けていた。
ハンバーグのページを開けて見せるのにこれがいいと指を指したりすらしないユキ。もういいやと、とりあえず店員に普通のハンバーグとドリンクバーを2つ頼んだ。
「ユキ、ジュース取りに行かねえか?」
「ジュースあるの…?」
「ああ、好きなの飲んでいい」
俺はコーヒーを淹れてふぅと一息吐く。ユキはブドウジュースを飲んでいる。
「今からどうする?何処か行きたいところあるか?」
「えっと…命と、お家で遊ぶ」
「家で?…遊ぶって言ったってなんもねえぞ?」
「命と、一緒だから…いいの…」
ストローに口をつけてチューと吸いながら俺を見るユキ。ユキがいいならいいけど。
「お待たせしました」
話が終わってちょうど店員がユキのハンバーグを持ってきた。「熱いので気を付けてください」という店員の言葉をちゃんと聞かずにハンバーグに釘付けになってるユキに「こら」と言う。
「熱いからこの鉄板触っちゃダメだぞ」
「うん…。ハンバーグだぁ!」
そのままフォークをぶっ刺したユキ。ハンバーグを一口サイズに切ってやらないと。
ナイフを使ってそれを小さく切ってやるとそのうちの1つをフォークで刺して嬉しそうにフーフー息を吹き掛け冷ましてからパクリと口の中に入れた。
「おいしぃ…!」
「よかったな。ゆっくり食えよ」
頬を押さえてふっと笑い何となくエロい顔をしたユキからふいっと視線をそらした。
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