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第171話

ユキが食べ終わって少し休憩してから車に乗り込み家に帰った。 手を洗って、早速イルカのぬいぐるみをシロに見せて「可愛いでしょ、名前はねぇ…」と紹介してる。 時間は2時頃で、洗濯物取り込むかなと窓を開ける。いい天気だからこういう日には掃除をしたり…なんて思ったけど今日はユキが優先。 いつも寂しい思いをさせているんだ。折角一緒にいるのに一人にしたらいけないと開けた窓を閉めた。 「何して遊ぶんだ?」 「絵本、読んでほしいの」 「絵本?お前これでもかって程読んでないか?新しいの買いにいくか?」 「この絵本と、明日、図書館……それでいいの!」 「…そうか。わかった。読んでやるからこっちおいで。」 胡座をかいてそこにユキを座らせた。ユキにも自分にも絵本が見えるように持って文字を読んでいく。 数分するとユキが揺れてトンと俺の腕にユキの頭がくっついた。 「ユキ…?」 「……………」 どうやら眠ってしまったようだ。 気持ち良さそうに腕の中でスースー眠るユキ。たまらずユキの頬にキスを落とした。それからこのままじゃ可哀想だと思いソファーの上に移動させ毛布を持ってきてかけてやる。 小さく丸まったユキの髪をサラサラ撫でる。気づけば俺は笑っていた。 ユキが寝ている間することもなくて、俺はシロとじゃれていた。シロを撫でたり猫じゃらしをシュッシュッて早く左右に行き来させてみたり。可愛いなぁと思っているとシロは疲れたみたいで俺の膝の上に乗りゴロゴロしだす。 「…あ、洗濯物…」 今のうちに取り込んでさっさと片してしまおう。シロにごめんなぁと謝って立ち上がり窓を開ける。そろそろ春が来そうだ。外の匂いが少しだけ優しい。 「…さ、やるか」 小さく息を吐いてベランダに出た。 「…ふぅ」 洗濯物を畳み終わりそれぞれを片付けて椅子に腰かける。少ししたら風呂掃除でもしよう。 そう思ったのに睡魔が襲ってきて…目を閉じてしまった。 やばい。ちょっとだけ、俺と寝よう。 机に顔を伏せて体の力を抜く。するとすぐに夢の世界にふわふわと意識が持っていかれて…気がつけば眠っていた。

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