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第178話
昼飯を食ってから家に帰ってソファーにどかっと座った。ユキは当たり前のように俺の膝の上にのって「命ぉ…!」と胸に頬をくっつける。
「んー…?」
「琴くんと、お話、楽しかったぁ…!」
「よかったなぁ」
ふんわり笑顔を見せたユキの髪をくしゃくしゃと撫でてやった。
「琴くん、早河さんが好きって、言ってたの」
「うん」
「僕も、命、好き」
「…ありがと、う?」
話の流れがあんまりわからないんだが?それでも満足そうにしてるユキは隣に乗ってきたシロにただいまぁと甘えたような声で言っていた。
***
「じゃあいってくるな」
「……いくのぉ…?」
「そんな顔すんなよ」
三日前から昨日までずっと一緒にいたから寂しいみたいで、目に涙をためて俺を切なそうに見上げてくるユキ。抱きしめたくなるのを我慢してポンポンとユキの頭を撫でた。
「何時に、帰ってくるの…?」
「わかんねえけど、6時…短い針が6をさすときくらいまでには帰ってきたい」
「…短い針…6…」
そう言って時計を確認しにリビングに走っていったユキ。少しして戻ってきたユキは完全に泣いていた。
「…まだまだ…帰ってこないっ……」
「泣くなって」
「んっ…ふっ、ぅ…」
「ユキぃ」
俯いて両手で涙をごしごし拭くユキの顎に指を添えて上を向かせる。擦ったせいで目の辺りが赤くなっていた。
「泣いてたらキスしねぇぞ」
「やだっ!命と、ちゅーするもん…」
「じゃあ泣き止め」
「…でもっ…んっむ…!」
でも、と言うユキの唇を塞ぐ。
薄く開いた口、ユキの口内に舌を挿入するとビクビク震えるユキの体。ユキの後頭部に手を添えて逃げられないように体も強く抱き締める。
「…ふっ…んぁ…ぁ、命ぉっ…」
「ん?」
「…ゃ…っ…苦しっ…ぁ」
呼吸がうまくできないようで一度離れる。銀色の糸が頼りなく俺とユキを繋いでいた。
「鼻で吸って、吐いて、してみ」
「んんっ、やぁ、…僕、おちんちん…お空向いちゃう」
「…それは困るな。」
今から仕事だし、今息子を勃たされたら困る。
「帰ってきてからもっとちゅーしようか」
「…恥ずかしい……」
「可愛いなぁ、お前は」
強くユキを抱き締めた。
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