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第189話 命side
ちゃんと家で住めるまでは組で生活をすることになった茉美と奈央。二人に「また明日」と挨拶してから組を出てトラのところにいるユキを迎えにいく。
「ユキくん、明日も来てね~!待ってるわよ!」
「うん!トラさん、またね…!」
手を振るユキとトラ。
俺は「ありがとう」とトラに伝え、ユキと二人で車に乗り込んだ。
***
「命、命、あのね、」
「んー?」
飯も風呂も終わり眠る時間、ベッドに入るとユキがモゾモゾと動いて俺の胸に顔をくっつけた。
「質問、いい…?」
「ああ」
「…えっと、…セックス…って何…?」
「はっ!?」
驚いて起き上がる俺。誰がその言葉を教えたんだ、トラか?…トラ以外いないな。ユキから少し離れて何故だか鼓動が速くなってる自身に落ち着け…!と心の中で叫んだ。
「命…?」
「…あ…えっと、セックスってのは…」
説明するとユキは顔を真っ赤に染めて俺に抱きついた。
「…お前…してぇの?」
「トラさんに質問、したの…僕…命とちゅーするの、好き…なのに…それだけじゃ寂しいって……」
「寂しい?」
「うん、だから、どうしたらいいのって。」
それでセックス?ぶっ飛んでねえか?
「お前がしたいならしてやるけど?」
「…んんっ…怖いから、ダメ…」
「はいはい。じゃあ一回離れてくれ。」
ユキとしてることを想像したら息子が元気になっちまったから。
「ギュー、嫌?」
「違うくて…」
「何…っあ!!命…!」
ユキの足に俺の元気になった息子が当たる。ユキは顔を赤くして「お空向いてる…」と呟いた。
「だから離れろって」
「気持ちいい、しないの…?」
「…トイレでしてくるから離せって言ってるんだよ」
誰が人前で自慰なんてするか。それに目の前に抱きたい奴がいるってのに。
「僕、気持ちいいする…」
「はぁ!?」
うんうんと頷くユキ。俺は頷けねえわ!!ユキから無理矢理離れてトイレに逃げ込み鍵をかけた。それなのに後を追ってきたユキがドアをとんとん叩いてくる。
「命、命…僕がするぅ…入れて」
「いいから部屋行け!」
ある意味恐怖だから。少し大きな声でそう言うと静かになって……それから……
「…ひっ…うぅ……」
泣き出した。
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