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第195話
「すげえじゃん世那~!お前飲み込み早い早い~!もう命さん~、どんな教え方してたんですかぁ」
「キビキビ、はっ!だよ。」
「え、何ですかそれ~」
赤石と鳥居が俺を見てケラケラ笑う、そんなに面白いことでもねえし。
「───命いるか?」
「あ!!早河聞いてよぉ~」
稽古場にやって来た早河にあのさ~と赤石が絡んでいく。
「みっちゃんがさぁー!」
まださっきの言葉がツボなのかクスクス笑いながら話してる赤石にイラっとする。
「ね?変でしょ?意味わかんないよね~!」
「いや、わかるだろ」
「───へ?」
俺の方を振り返る赤石。ほらな?と無駄にどや顔をしてやるとケラケラ笑った。
「そんなことより命、話がある。親父のところに行くぞ」
「おう、今すぐか?」
「……今日中ならいつでもいい。…世那の面倒見てるのか?」
「俺が教えるんじゃわかんねえって言うから鳥居を呼んだんだ」
へぇ、と然程興味がないらしく適当に返事をされ、俺もそれにはどうも思わないからボーッと世那と鳥居を見ていた。
「話ってなんだよ」
「山瀬組のことだ。調べることは調べたし、いつ潰しにかかるかの相談をな」
「お前一人で行って後から俺らに報告すりゃよかったじゃん」
「仲間のこと一番に考えてるのはお前だ。世那がどうしたら何にも傷付かずに済むか考えろ」
そんなこと言われても…。まあ努力はするけど。と廊下を二人並んで歩き親父の部屋を目指した。
「失礼します、早河です。」
「命です」
ドアの前、そう言うと低い声が返ってきて中に入ると親父が機嫌よくにこにこ笑っていた。
「…何かあったんですか?」
「いや、あのな…あの口を利いてくれなかった奈央から電話来てなぁ。娘って可愛いなぁと思ってよ」
親父は奈央にひっそり番号を教えていたのか。親父は嬉しいのか頬が緩んでいる。
「───あの、話いいですか」
早河が真面目な声を出すとそれも消えたけど。
「悪い悪い、何だ?」
「山瀬組のことを調べ終わりました。なのであとはいつ頃仕掛けるのかと、世那が傷付かずに済む方法を考えるべきと思いまして。」
「…成る程な」
そうだな、と難しい顔をする親父、早河はいつも通りな無表情。何となく俺だけテンションが違う…?少し不安になった。
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