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第213話 ユキside
公園で命のお膝に座ってるときからずっと、考えてたの。
命のことをポンッて頭の中から消しちゃったら、もしかして寂しくなくなるかもしれないって。それに…ずっと命に引っ付き虫さんしてるから、命も困ってる。やめてほしいなって、きっと命も思ってる。
だから、お家に帰ってきてから僕は命の言葉を全部聞こえないフリしてるんだけど……
「はぁ…」って聞こえてくる命のため息に、ごめんなさいしないといけないのかなって、気になって仕方なくて…。
「…シロくん、シロくん…」
シロくんに相談してみようってコショコショ話をする。
「ニャー」
「ダメぇ…シーだよ…」
「ニャー」
「ダメなのにぃ…」
ニャーニャーって僕の言うこと聞いてくれない。むぅ、って頬っぺを膨らまして「メッ」て言うとシロくんはプイって僕にお顔を見せてくれなくなった。
「シロくん…?」
「…………」
「シロくん…!」
「……………」
こっちを向いてくれないシロくん。やだやだ…そんなの、僕、一人になっちゃう。
「───無視されるの嫌だろ」
「わっ…!」
突然命が話しかけてきてびっくりした。
「ユキが今シロにプイってされて寂しかったのと同じ。俺もお前に無視されて寂しいんだけど。」
「…ぁ…うぅ……」
「何で無視するんだよ。…俺のこと忘れようとでもしたのか?」
「……うぅ…っ…」
見えてるものがグニャグニャって歪んできて慌てて溢れてきた涙を拭くけど、どんどんそれは出てきちゃう。
「泣くなよバカ」
「…や……バカ、違うぅ…」
命に抱っこしてほしくて手を伸ばす。ニコニコ笑って命は僕を抱き上げた。
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