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第217話

「使えねえ奴等だなぁ、幹部の一人くらい殺ってくれてたら楽なのによぉ」 両端に山瀬組の幹部らしき奴等が二人並んでいて、そいつらが俺と赤石それぞれにチャカを向けてきた。 今、動いた方が負ける、と思ってジーっとしているとケラケラ笑う山瀬。 「組を潰しに来たんだろぉ?そういやぁ俺らが探りをいれろって命令したあいつら、お前らに捕まって一人、殺されたらしいなぁ。」 世那のことを言っているのだと気づいてじっと山瀬を睨む。 「もう一人の方かぁ?俺達のことを話したのは…」 山瀬以外誰も話さない。そんな空気に面倒くさくなくなったのかなんなのか、赤石が動き出した。 山瀬組の幹部の一人の太股に向かって発砲した。驚いた俺は何してんだこいつ!と思いながらも反撃を食らわないようにもう一人の方の幹部の足を撃ち抜く。 崩れた二人を見て、山瀬は笑う。「お前ら簡単に撃たれてんじゃねえよ」と言って一人を蹴った。 「さーて、もう俺には勝ち目がねえし、この組のことだってそんなに興味がねえ。早く殺せ」 両腕を広げ早く早く、と挑発する山瀬に親父がチャカを構えて両足に一発ずつ弾をくれてやる。崩れた山瀬だけれどニヤニヤとした笑いだけは崩さない。 「何も持ってねえか、ちゃんと調べてから車に運べ。山瀬組の組員達は殺さなくていい、抵抗できねえようにだけしろ」 親父が部屋を出ていこうと振り返る。さあ、早く仕事を終わらせよう。 そう思って山瀬の野郎に近づくと端にまとまっていた幹部の二人がチャカを構える姿が目に入った。 銃口は親父に向けられていて、親父を護衛しているあいつらも部屋を出ようと後ろ姿を見せている、誰も気づいていない。 慌てて、親父を撃たれてたまるかと、そこまで走る、それと同時に パンっと乾いた音が2発なって、赤が散った。

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