232 / 240

第232話

嫌がる少年を三人の男が襲ってるところ。確か俺がその子を助けたんだ。この行動があっているのかと迷いながらも家につれてきて、汚かったそいつを風呂に一人で入るように言って───そうしたら、倒れて。 この前見たあの写真のようなものはこの時のだったんだと一人頷いた。 それから、ユキって名前をつけて、一緒に暮らして、……好きになって。 そんなユキが寂しがらないようにと真っ白な猫を飼ったんだ。ユキがその猫にシロって名前をつけて、仲良く、してて。 幸せだった日を思い出す。 ぅっと喉が鳴った。 涙が溢れてきて止まらない。 ユキの過去は俺の過去と何となく似てて、だから自分の嫌な過去を思い出したくなくて、思い出す材料になるかもしれないユキの事も忘れてしまっていたんだ。 「…自分勝手すぎだ……」 全てを思い出した途端真っ暗だった辺りは光が射したように明るくなった。 早くユキのところに帰らないと、ユキは寂しがってないだろうか、早く会いたい。 早く待たせてごめんって、謝りたい。 目を閉じて早く早く、と何度も祈った。

ともだちにシェアしよう!