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第234話

泣き疲れてユキは眠った。それでもユキを離したくなくて俺の腕の中に閉じ込める。 「ちゃんと寝かせてあげないとユキくんが可哀想でしょ」 「…………」 「無視してんじゃないわよ」 肩をパシり叩かれてもユキを離したくなくて、嫌だと首を振る俺に呆れたように息を吐く。 「早河たちに連絡しておくわ」 「…ありがとう」 「あんたも、もうちょっと休んでおきなさい」 ベッドに寝転ぶように言われて、ユキを抱き締めたまま寝転ぶ。 スースーと寝息をたてるユキが可愛くて愛しくてはぁ、と溜め息を吐いた。 *** 「みっちゃん!!」 「命さん!!」 うるさい声と共にドアが開く。 ユキの寝顔を見て癒されていたのに、声に驚いてユキが起きてしまった。 「みっちゃん!思い出したって本当!?」 「俺待ってたんです!!ずっと待ってた!!」 「ユキくんよかったねえ!これでみっちゃんにあんなことやこんなことしてって言えるね~!」 「えっ?赤石さんそれどういうことです~?」 「うるさいお前に関係ないよ引っ込めレッドヘッド」 赤石と鳥居の言い合い、ユキは全部の言葉にうんうん頷いていたけれどきっと理解できてないと思う。 「お前ら静かにしろ。」 赤石達の後にそう言って部屋に入ってきたのは早河。呆れたように息を吐き赤石と鳥居の頭をガシガシと押さえていた。 「…で、本当に思い出したのか?」 「ああ」 「そうか。よかった」 ふっと笑った早河はユキにも「よかったね。」と優しい顔で言う。 「…うん、すごく嬉しいの…!」 そんな早河に満面の笑みでそう返したユキをぎゅーっと強く抱きしめた。

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