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第2話
家についてとりあえず少年を風呂に入れる。
パーカーを脱がせて明かりのある所で改めて少年の体を見ると、酷く痛々しい。
尻の中のモノをどうやって出せばいいのか少年はわからないようで困ったように「コレ…」と太股を流れる白濁を指差す。
「はぁ…出してやるから、力抜いて俺に寄りかかれ」
俺の言葉に素直に頷き行動する。シャワーを手に取り少年の穴にボディーソープを絡ませた指をゆっくりと挿入した。少年はビクビク震えるばかりで力を上手く抜けないらしい。
多少の痛みがあるのか呻き声を漏らして、耐えていた。
綺麗になった穴から指を抜くとヘナヘナと地面に倒れていく。
「おい、大丈夫か」
「…う、ん」
「後は洗えるか?」
「………………」
首を縦に振るでも横に振るでもない。返事もしねえし、どうかしたのか。顔を覗き込むとうるうると大きな目に溜まった涙が見えた。
「…お風呂、怖いの」
「はあ?」
「お風呂、一人、怖い」
もしかして、お化けとかそういう感じか?と一人で勝手に納得し「大丈夫だから、入れ。」と言って風呂場から出た。濡れた服を洗濯機の中に放り込んでスウェットに着替えて、ソファーに座り、正面にあるテレビを点けてそれをぼーっと眺めた。
***
そうしていると時間は経って気づけば30分は過ぎていた。なのにあいつはまだ風呂から出てこない。不思議に思って風呂場に向かうとシャワーの音が聞こえてくる。
「は?」
風呂のドアを開けたら少年は倒れていた。薄く目を開けて真っ青な顔で浅く息をしている。
「おいっ!大丈夫か!」
抱えると俺にしがみついてきた。その手は俺より小さくて、震えていて。
ああ、風呂が怖いって"ちゃんとした理由"があったんだ。勝手にお化けだとか、そんな理由だと決めつけてしまったことに後悔する。
少年の髪は濡れていてシャンプーの匂いがする。ってことは一応は洗えているらしい。
すぐにタオルで包んで抱き上げ、寝室のベッドに腰を下ろし、そのまま背中を撫でてみたり「大丈夫」と声をかけていると、落ち着いたようで震えは止まり呼吸も正常だと思えるものになった。
「悪かったな」
「…わるかった…?」
「ああ。風呂が嫌って、ちゃんとした理由があったんだな」
「ぅ…?」
小さく首を傾げる少年は俺の言葉の意味を理解できないようだ。その様子についつい苦笑を漏らしてしまう。
「ああそうだ、お前、自分のこと話せるか?」
「自分の、こと…?」
「まず、何歳だお前」
「14さい」
「え、14!?」
これには流石に驚いた。この見た目と言語力の低さだと小学生の低学年でもおかしくないだろう。…ああ、でも、そうか。それくらいでもおかしくねえか。"そういう"奴らには特別変なことじゃない。
「あのっ」
「ん?」
「…あなた、名前…」
少年はクリクリの目を俺に向けて、何かを怖がる様子で俺の名前を聞いてきた。
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