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第4話

のそのそとリビングに出て、冷蔵庫を漁る。 とりあえずオレンジジュースがあったからそれをコップに注いで出せば、嬉しそうにゴクゴク喉を鳴らして飲んでいた。どうやら相当喉が渇いていたらしい。 「おいしい…これ、なに?」 「これはオレンジジュース」 これも知らないのか。特別驚きはしないけど可哀想だと思う。 それからうどんがあったからうどんを作ってユキが食べ終わったのを確認してからササッと風呂に入り、満足そうにソファーに座ってるユキの頭をグリグリ撫でた。 「…お腹、いっぱい」 「そうか。そりゃよかった」 「寝る、する?」 「ああ、寝るか」 半乾きの髪のままユキとベッドに横になる。俺に緊張してるのかガチガチになって呼吸音さえ聞こえないようにと口と鼻を手で覆ってて思わず笑ってしまう。 「そんなに緊張してたら寝れねえだろ」 「誰かと、寝る…初めて…」 俺から距離をとって、ついにはベッドの端っこに。そんな所にいたら落ちちまう。 「危ねぇ」とユキを抱き寄せる、口をパクパクして俺を見上げてくる顔は赤くて可愛い。 「落ちるから、端っこはだめ。わかったか」 「…うん」 そのまま背中をぽんぽんと撫でてやると次第に寝息が聞こえてきた。 「…虐待か」 さっき、体を見た時は痣はなかった。 身体的な暴力を受けていた訳では無いけれど、こんなにも成長が遅れているということと、それ以外は何も違和感を感じたことはないということで、こいつが虐待を受けていたと確信した。 何も知らないことから、教育を放棄され、そして最悪な事だが、こいつは両親達にあの公園に捨てられたと考える方が賢い。 それを早河に説明するかどうかは別として…。俺の腕の中で嫌がる素振りもなく眠るユキの姿は可愛らしい。 どうしてやるのがユキにとって一番望ましいのか、考えても考えても答えは出ることはなく、いつの間にか俺も眠りに落ちていた。

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