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第8話
それから命は誰かとお電話して僕は一人ベッドに寝転んでみたり座ったりして遊んでた。けどやっぱり寂しくてぼーっと下を向いてるといつの間にか電話を終わってた命が「どうした?」って聞いてくる。
「寝る、しないの…?」
「そうだな…。あ、その前に風呂に入ってきていいか?」
そうだ、さっき命はお風呂、入ってなかったもんね。
でも、僕はその間、ここにいてもいいのかな。
「僕、ここいていい?」
「ああ、いろ。喉乾いてねえ?腹へってたり…」
喉は乾いてないかお腹は空いてないかって考えもしなかったそんな言葉に驚いて顔をあげると僕のお腹はグゥと声をあげる。
自分では気づかなかったけど、お腹すいてたんだぁ。
「こっちおいで」
「うん」
僕を見た命は少しだけ笑った。僕は恥ずかしかったけど隠れないでちゃんとお返事をして命とお手手を繋いでお部屋から出た。
大きな机と椅子に座った僕は命から"オレンジジュース"をもらったり、おうどんを作ってもらったり。たくさん食べたからお腹いっぱいになって、ソファーに座って命がお風呂から出てくるのをジーっと待ってた。
突然頭をグリグリ撫でられてびっくりして顔をあげるとまだ少し髪の濡れた命。何か話をしないと!と思って出た言葉は
「…お腹、いっぱい」
だった。けどそんな言葉に命は優しく返事を返してくれる。なんだかとっても嬉しいね。
そんなことを思ってたら眠たくなってきてしまって
「寝る、する?」
「ああ、寝るか」
命とさっきのベッドのある部屋に行って二人で横になる。寝るときに隣に誰かがいるのは初めてだから緊張して眠れない。さっきまであんなに眠たかったのに…。
息をする音も何だか恥ずかしくて口と鼻を手で覆った。これで少しはましになるよね…?でもそうしたら命がククッと笑う。
「そんなに緊張してたら寝れねえだろ」
「誰かと、寝る…初めて…」
急いで命から離れる。よし!ここでいいやって思ったのはベッドの端っこだった。ここでやっと安心できたのに「危ねぇ」と命に体をギュって抱きしめられてそのまま命のお胸に僕の頭がゴツンする。僕のお胸はうるさいくらいにドキドキしていて、お顔を上げたら
「落ちるから、端っこはだめ。わかったか」
って注意されて慌ててお返事をした。
そのまま背中をぽんぽんと撫でられてだんだん眠たくなる。命の心臓の音と背中を撫でる優しい大きな手、それが暖かくて僕はいつの間にか夢の世界に入っていった。
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