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第15話

「ごちそうさま」 食べ終わって椅子から降りたユキはまた落とさないように慎重に歩いてキッチンに皿を運んで、それが終わると走って俺のところに戻ってきた。 「どうした」 「んー…命」 俺に抱っこされたいのか両手をこちらに向けて差し出してくる。 椅子に座る俺はそんな姿を見てすかさずユキを抱いて膝に乗せた。向かい合わせで俺の膝に座るユキの背中をポンポン、と一定のリズムで軽く叩いてやってると眠たくなったのかあくびを零している。 「眠たい?」 「…うん」 そう言ってしばらくすると、スースーと寝息が聞こえてきた。 ずっとこうしてはいられないし。ベッドだと熟睡して夜寝れなくなってしまうかもしれない。もう、ソファーでいいか。 ソファーにユキを寝転ばせようとユキから少し体を離す。 「……参ったな」 けれど、ユキに服を掴まれていて離れてくれない。 いや、客観的に見れば全然、全く、離れることは出来るが、なぜかそれが俺には出来ないだけで。 自分の子供を可愛い可愛いと溺愛する母親の気持ちが少しだけわかったかもしれない。 渋々掴まれていた服を脱いで、ササっと違う服を着た。毛布を寝室からとってきてユキに掛けてやってから、明日組の方に行くなら今渡されてる雑用の仕事も済ませておこう、とパソコンを立ち上げる。 前に早河から送られてきていたデータを纏めないといけない。今度浅羽組も参加しなくてはならない極道の大きな会議がある。その時の為の物だ。 「あー…これ俺も行かねえとだめなやつか…」 面倒だな…。 タイピング入力するだけの音が部屋を占領していた。 一時間経ってそろそろユキを起こすか。と仕事をやめ、ググッと伸びをする。 「ユキ、起きろ」 ポンポンと腹を軽く叩く、それだけじゃユキは起きないみたいで今度は軽く体を揺すってみる。 「ユキ」 「ん、んぅ」 眉間にシワを寄らせてからゆっくりゆっくり目を開けたユキ。俺を視界にいれると満面の笑顔を見せてくれる。 「命ぉ」 そんな姿を見て、思わず抱きしめたくなった。可愛い顔で笑いやがってこの野郎。グッと堪えてユキの頭を撫でる。 「そろそろ起きな、夜眠れなくなるから」 「うん」 ユキは目を擦りながら上半身をゆっくりゆっくり起こして、そのまま上半身だけ前に倒れていった。 「おい、起きろって…」 「ねむねむ…」 そのまま寝られても困るので、ユキを抱っこして「起きて」と言いながら頬を撫でた。

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