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第19話
夜になってカレーを作り「晩飯だぞ」とテレビを見ていたユキを呼んだ。「カレー」と言い、眠たいのか少しフラフラしながらテーブルの席について、手を合わせ二人でいただきますをする。
スプーンを持って一口目を口にいれたユキは突然頬を緩ませた。
「おいしい…!カレー、おいしいっ」
「そりゃよかった」
少しだけ会話をしながら早くも完食したユキは皿を運んでから小さく息を吐いて、ヨテヨテと俺に近づきポンポンと俺の膝を叩いてくる。
「ん?」
「またカレー、作ってくれる…?」
不安そうに瞳を揺らしてるこんな小さな子供のお願いを聞いてやらない奴なんているのだろうか。
「ああ、また一緒に食おう」
「やったぁ!」
俺の腰にぐりぐり額を押し付けるユキの頭を撫でた。
「ほら、ユキ入れって」
「やだぁ…」
ユキの嫌いな時間。風呂に入りたくないと駄々をこねるユキを連れて風呂に行く。
「一緒、入るの」
「わかったから、服脱いで」
これから毎日こんな生活が続くのか…と思うとやっぱり少し面倒臭い。
***
「目、開けんなよ」
ユキのあわあわな髪の毛。
その泡が目に入ったら痛いからって言って目をギュゥゥと瞑らせている。
「ほれ、もう開けて良いぞ」
そう言うとゆっくり目を開けて目の周りの水を手で拭った。
「あとは洗えるよな?」
「…命、お外行くの?僕一人?」
「違う違う。寒いからお湯浸かりてえの」
「ここ、いる?」
そう聞いてくるから「いるから、大丈夫」といい頭を撫でてやる。頬っぺをキュッて上げたユキを見てから浴槽に浸かり「はぁー…」と息を吐いた。
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