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第25話
袋いっぱいの菓子と鳥居が持つたくさんの服。それを車に詰め込み、鳥居を助手席に乗せてマンションへと帰ってきた。
エントランスを抜けてエレベーターで上まで上がる。玄関に来て鍵をさし、ドアを開ければパタパタと足音が聞こえて玄関まで走ってくるユキがいた。
「…ふぇっ…命ぉ…」
目に涙を溜めるユキを抱き上げる為に床に荷物を置いた。けれどその間に鳥居がユキに「ユキくーーーん!!」と抱きついている。ユキは驚いたみたいで涙は引っ込み、鳥居ということを確認したら笑顔になった。
「夕くん!」
「ユキくーん!たくさん服買ってきたよ!」
「服…?僕の…?」
「そうだよぉ!見てみてー!」
そう言って袋を開けようとする鳥居に「中でやれ」とリビングに行かせて俺も一息吐く為に買ったものを持ってキッチンに入った。
コーヒーを淹れてリビングに行き、椅子に座りながらユキと鳥居がはしゃぐ様子を眺める。
「…これ、全部、僕の?」
「そうだよぉ!」
あいつ、ユキの服何着買ったんだ?怖いくらいに袋からは服がたくさん出てきた。けれどそれを咎めることはしない。
「ユキくん似合ってる~!」
「本当…?僕変じゃない?」
「全然!かっこいいよぉ」
だって、こいつらがこんなに笑顔になっているから。
しばらくして、ユキははしゃいで疲れたのかソファーに腰掛け鳥居と静かに話をしてる。
「僕、夕くんとお話するの楽しいの」
「本当ぉ?嬉しいなぁ」
「夕くん好きぃ」
鳥居に抱きついて鳥居もユキを抱き締め返して。どこまで仲良くなってんだよ。とちょっとだけ嫉妬する。
「あ、昼飯作らねえとな」
「俺も命さんのご飯、久々に食べたいですー!」
手を挙げてそう言う鳥居につられて、ユキも手を挙げ「僕も!僕も!」と言う。まあ鳥居にはユキのことで感謝してるし、作ってやらんこともない。
「ちょっと待ってろ」
そう言ってキッチンに入り服の袖をまくって手を洗った。
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