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第30話

「ふぁぁ…」 やっと起きた鳥居は眠たいと目を擦る。時刻はもう午後7時、ちょうど飯の時間。 「鳥居、起きたなら手伝え」 「…はぁーい」 フラっと立ち上がってユキの頭を撫でてから俺のもとに来る。できたおかずから鳥居に運ばせ、それを見ていたユキが鳥居を羨ましそうに眺めていた。ああ、手伝いがしたいのか。 「ユキ、これ運んでくれるか?」 「う、うん!僕、頑張る!」 嬉しそうにテーブルに運んでいくユキ。 鳥居と俺にはビールを、ユキには茶を、それぞれ持って料理が並んだテーブルに向かった。そこではもう鳥居とユキが席についてて俺も慌てて席に座る。 「悪い。ほれ、鳥居。」 「わあ!いいんですかぁ!?ありがとうございますー!」 「ユキはお茶な」 「はい」 お茶の入ったコップを渡すと嬉しそうに受けとる。じゃあほら、いただきます、しようか。 「ユキ、いただきます、して」 「あ!…します」 パチン!と勢いよく手を合わせて俺と鳥居をそれぞれ見てから大きい声で言った。 「いただきます!」 「おおー!ユキくん偉い!俺も俺も!いただきますー!」 飯を食べた後、訪れる風呂の時間。 鳥居が先に風呂に入って俺はユキとのんびりテレビを見る。 「夕くんに、オレンジジュース…忘れてた…」 「後で入れてやれ」 「うん…でも、眠たいの…」 「鳥居が風呂上がるまで寝てるか?」 「僕、寝るしたら、命寂しい…泣き虫さんだもん…」 「だから、それはお前だろ」 ユキの頭をポンポン撫でて俺の膝の上に向い合わせで乗せてやる。俺の胸に頬をつけて、うとうとしだしたユキは本当に寝そうだ。 「15分したら起こすぞ?」 「うん」 ユキを抱え背中を撫でてるとスースーと寝息が聞こえてくる。ユキの顔を覗くと少しだけ笑っていて、今日は楽しかったんだなぁと少し笑みが漏れた。

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