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第88話

赤石を鳥居とは別の部屋に放り込んで泣き止んだユキと風呂に入ってベッドに潜った。いつも以上に体を寄せてくるユキ。変な気を起こしそうで少し怖い。 「ちゅー、して…?」 「ああ」 さっきみたいなんじゃなくて、もっと深い舌を絡めるキスを何度も何度も繰り返した。 きっと赤石ももう部屋で眠ってる。それなら我慢させなくても、しなくても、もういいやと思って。 「ふぅ…ん…んぁ…」 ユキが体を擦り寄せてくる、そして気付いたのは、きっと無意識に腹に当てられてるユキの性器が勃ちだしてること。体と体の間に手をいれてユキの性器を服の上から触った。驚いて腰を引いて喉をくぅんと鳴らす。 「…んぁ…ぁ…」 舌を絡ませたままユキのパジャマと下着を脱がせ、勃ち上がった性器を擦る。くちゅっと濡れた音を出すそれは先走りでぬるぬるしていて。 「イけ」 「ぁ…ん…んぅ…はぁ、あ、あ…」 少し弄ればすぐに弾けた。浅い息を繰り返して脱力し半開きになってる口からは唾液が零れている。 そんなユキを見て俺の息子も元気になってしまう。が、俺のこれはもう無視して早いことユキを寝かせよう、トロンとしている目が眠たそうにゆっくり閉じられ、ゆっくりと開けられる。 ユキの性器と自分の手をティッシュで拭い服を着せてユキの腹をポンポンと撫でる。 「好き、好き…」 「ああ、俺も好き。」 「おやすみ、なさい」 「おやすみ」 そうしてユキが眠ってから何ともいえない虚しさが襲ってきた。 虚しさから逃げようと寝室から出て、片付けをしようとリビングへ。するとそこには寝たと思っていた赤石がいて眉を寄せる。 「寝たんじゃなかったのか」 「だって俺、みっちゃんと話したかったし?」 「何をだよ」 「んー?俺だってユキくんみたいにみっちゃんとイチャイチャしたいよ」 こいつは何を言っているんだ。 「さっきだって、ユキくんとキスしてたよね?聞こえてた…っていうか聞いてたんだけどね?」 「…………」 「てか自慰の手伝いまでしてあげてるんだねー」 「…何をどうしてえのお前」 「うん、俺もねみっちゃんが好き。多分ユキくんよりね」 そう言って俺に近づいてきて頬を両手でぺしっと挟まれる。 「このままキスしていい?」 「…嫌だ」 「嫌」 視線を赤石から逸らした、その隙を狙うように赤石が顔を近づけてきて。一回くらいならいいか、そうする事でこの何とも言えない虚しさがもし消えるのならそれはそれで……と赤石とのキスを拒まなかった。触れあうこと3秒。至近距離でしばらく見つめ合う。 「ちゅーしちゃった!」 「…そうだな」 「その冷めた感じ、俺あんまり好きじゃなかったけど、今はすごい好きかも。て、ことでさ?今度の出張もし断ったら俺怒るからね?せっかく二人になれるんだもーん!もし断ったらユキくんとみっちゃんのこと、早河に言っちゃうからね?」 こいつには俺が断るかもしれないってことがわかっていたらしい。溜息を吐いてわかったと頷くしかなかった。 そして結局虚しさが無くなることはなかった。

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