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第91話 命side
鳥居と赤石を起こして軽いご飯をユキに食わせる。弁当は作ってやれないけど行きにコンビニに寄ってユキの好きなものを買ってやろう。
朝飯を食うのを後回しに、俺と鳥居と赤石は顔を洗ったり髪を直したり(鳥居と赤石に関しては風呂に入っていたけれど)、朝から忙しい。
「ユキぃ、コンビニ寄ってくぞ」
「コンビニ…」
「お菓子も買おうな」
「うん!」
鳥居と赤石が先に行くね。と家を出ていって俺はユキの荷物を持ってある程度部屋を片付けてから家を出た。
車を走らせ、少ししてあるコンビニに車を止めた。ユキと手を繋いで店内に入る。やる気のこもった挨拶がかかる。
「お菓子、お菓子…」
「昼御飯も選べ」
「お昼…お弁当、ちがう…?」
少し悲しそうな顔。それを見て申し訳ない気持ちになる。
「ごめんな」
「ううん…僕…パン食べたい。甘いの食べたい」
「甘いのな?パンはこっちだ」
ユキの手を引いてパンのコーナーに連れていく、
「いっぱいだぁ」
「好きなの入れな」
かごを出してやるとユキは笑って楽しそうにパンを選んでいた。
***
パンとお菓子を買って満足した様子のユキをトラに預けて組に着いた。少しだけ遅刻。早河に何か言われるかなぁと嫌になりながらも幹部室のドアを開けた。
中には八田しかいなくて少しだけ安心する。
「黒沼ぁ、時間過ぎてる」
「悪い…」
「早河今親父のとこに行ってるし、お前がちょっと遅刻したことは知らない。秘密にしてやるからこれを手伝え。」
「これって?」
「中尾が今日高熱出して来れないらしいから、あいつの分の仕事」
「…これってよぉ、」
「軽く見張りに行ってこいってだけだ。」
繁華街をぶらーっと歩いて特に何も異常がねえか見回りをする仕事。この時間だとたまに高校生同士の喧嘩があるくらいで、特に忙しいって訳じゃねえが。
「お前は何するんだよ」
「俺はこれ作らねえと。」
「ならいいや」
これと言って見せてきたのは多くの文字が羅列した資料。間違いなくそっちの方が面倒だ。
仕方なく繁華街の見回りの仕事を受けてダラダラと部屋を出て廊下を歩き途中で会った組員立ちと声を交わしてから繁華街へと向かった。
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