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第101話
家について早く食事をとり準備を終わらせ風呂に入り、0時にはもうユキは爆睡していた。
明日はいつもより早くに家を出ないといけない。ということはもちろん早起きをしないといけない。朝御飯を食べないとユキが可哀想だから、俺はユキよりもまたもう少し朝早くに起きて…って俺も早く寝ないと起きれなさそうだ。ああ、そういえば若にユキがついて行くって言うの忘れてたし。
まあいいか、とユキの髪を撫でてから自分も目を閉じた。
***
起きたのはその4時間後。まだ眠っているユキを起こさないようにベッドを抜け出し、夜中のうちに炊いていたご飯でおにぎりを作り途中腹が減ったと誰かが言い出したらこれを渡せるようにとラップに包んで袋にいれた。
それからユキの分と自分のおにぎりを作り、ユキを起こしにいく。いつもより早い朝だから多少機嫌が悪いユキはご飯だと言って椅子に座っても半分夢の世界。
「ユキ」
「……………」
「ユキ…?」
「……ん…」
寝惚けてるユキがどうしたら起きるのかと考え思い付いたのは
「ん…んぅ」
「起きろ」
「ふぁ…命ぉ…」
キスをすることで。
そしたらゆっくりながらも目を覚まして目の前にあるおにぎりを手に取りパクパクと食べ出す。
「それ食べたら服着替えろよ」
「うん」
暫くして荷物を持って急ぎ足で車に乗り込む。ユキは眠たくてあくびを何度も零していた。
「ユキ、ベルト」
「はぁい…」
カチッとベルトをつけたのを確認して車を発進させる。震動がまたユキの眠気を誘っているらしくコクリコクリとユキの頭が動いているのを見て何だか申し訳なくなった。
「ユキ、もうつくあけどどうする?一緒に中入れるか?」
「命と、一緒…」
「わかった。顔が怖いやつはいるけど全然怖くないから、泣いたりするなよ?」
早河に初めて会ったとき怖がってたけど、早河より顔が厳ついやつはここには何人もいるからユキにそう伝えるけど、どうだろう。
厳つい門を潜るとすかさず車の傍まで組員が来る、それを確認してからその場に車を止めユキと一緒に車から降りた。
「…えっ……命さん…?」
「命さんに、子供…?」
周りにいた組員たち、ざわざわと言うそれを睨むことで黙らせてやっぱり怖がって震えるユキを抱き上げた。
「…葉月 」
幹部それぞれには部隊みたいなのがある。そんなに大したものじゃないが、早河の下について者や、赤石の下についてる者、八田の下につく者もいれば、中尾の下についたりする者も。
俺にも例外じゃなくそういうやつらがいる。大体人数は同じくらいでそのメンバーで仕事をしたりすることもある。
葉月は俺につく組員のうちの一人で比較的爽やかなやつ。俺より年上らしいけど、童顔なのか全然そう思えない。
「何ですか?」
「あいつら後で黙らせとけ。こいつは俺の子供じゃねえ」
むしろ恋人にしたいと思ってたり……
「わかりました!」
ピシッと敬礼をして背中を向けた葉月は、まだ朝が早いと言うのに大声で俺が言った言葉を怒鳴るように叫んで周りを静かにさせた。
「完璧ですっ!」
「……はぁ」
俺が言ったのはそうやって黙らせろって事じゃないし、それに後でとも言ったはずだが。
まあいいか、ととりあえずそこを抜けて若のもとにユキを紹介しにいこうとユキを抱いたまま廊下を歩く。幹部室の近くを通るときに早河に会ってユキが「早河さん…!」と早河に腕を伸ばした。
「ユキくん、久し振りだね」
「早河さん、おはようございます…!」
早河は俺からユキを取ってユキと仲良さそうに言葉を交わしてる。
ムカつく、何がムカつくってユキが早河に会って腕を伸ばしたところが。
「お前若のところにいくんだろ?」
「そうだよ」
「俺もいく。」
「勝手にしろ」
早河とユキはまだ仲良さげに話したまま。
俺は一人長い廊下を早河を睨みながら歩いた。
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