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第114話

猫を家に迎えるには何が必要なのかを店員さんに聞いてみて大体の買う物の目星をつける。 「猫さんに買うの…?」 「そう」 それからさっきの白猫のことについて聞いてみた。 「この子ですか?この子は大人しくて優しい子ですよ、甘えん坊だし」 「へえ…」 ユキはそれを聞いてふんわりと笑って俺の服をクイクイ引っ張る。 「僕、猫さんと仲良し…」 「ああ」 「猫さん、猫さん…猫さん…!」 はしゃぐユキをみて店員さんがクスクスと笑う。 「白い猫さん」 「新しい家族だな」 「家族…!」 "家族"が嬉しいらしくてユキの顔はいつもより緩くなっていた。それから猫を迎えに来ると約束をして、自分達の買い物を済ませようとペットショップから離れた。 自分達の買い物をさっさと済ませて車に荷物をおいてから猫を迎えにいく。 「猫ちゃん、この中、いる…?」 「いるよ」 「僕が、お名前つけていい…?」 「ああ」 店員さんも手伝ってくれて猫の生活に必要な物を車に運ぶ。俺が持っている箱の中にあの白猫がいる。俺は運転をしないといけないからユキがしっかりと箱を抱えて助手席に座った。 『ミャー』 「あ…猫さん箱の中、しんどい…?もうちょっとだからね…」 『ミャー』 家について荷物を運んで急いで部屋に入る。 「猫さん出してあげる…いい…?」 「ああ、その中だと苦しいだろ。」 そう言うと箱の蓋を開けるユキ、白い猫はすっと顔を出して辺りを見てから箱からでた。 「猫さん…お名前、えっと……」 ユキはそんな猫を目で追いかけながら名前を必死に考えていた。 猫の名前は結局シロにしたらしい。「シロー、シロくん」とシロを追いかけ回してる。ちなみにシロは雄。ってそれより猫ってそっとされてるのがいいんじゃないのか? 「ユキ、シロが近づいてきてくれるまで待ってる方がいいんじゃねえか?」 「そうなの…?」 「ユキが初めて連れてこられた家で、初めて会った人に追いかけられるの嫌だろ?」 「…やだ」 服の裾をもってムゥと唇を尖らせた。シロは初めて来た家を探検するようにいろんな所を歩き回ってる。 「シロが探検してる間にこれ全部置いてやろうな」 「うん」 袋から出した猫のトイレやらなんやらを部屋におく。それが終わった頃にはシロはソファーの上に座っていて、ユキはシロの隣にそっと腰を下ろす。 「僕、ユキ、言います」 そう言ってシロを撫でたユキは幸せそうに微笑んでいた。 晩飯を作ろうとキッチンに入って30分くらいがたった頃、ユキが向こうで「わあー!!」と大きな声をあげた。 何だ?と思いリビングを覗けばユキの膝の上にシロが寝ている。猫って警戒心が強いとか言わないっけ?よくわかんねえけど。膝の上にシロが乗ってきたことが嬉しかったみたいだ。シロの頭を優しく撫でて「シロくん、いい子…」と呟いていた。

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