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第118話 ユキside
シロくんってすごい!僕が持ってるシロくんのおもちゃを腕をいっぱい伸ばして高くに持ち上げたらジャンプして取ろうとする。
「シロくんすごい~!!」
おもちゃをシロくんに渡すと一人で遊びだして少しだけ寂しいけど、シロくんも一人で遊びたい時があるもんね。
「僕、絵本読む」
絵本の置いてある棚に手を伸ばしてクマさんの絵本をとった。もう何回も読んでるんだけど、何回読んでも面白くてクスクス笑っちゃう。
「ユキー」
命に呼ばれて絵本を閉じて急いで命のところに行く。走る僕をみて「何で走ってんだ?危ねえから歩け」と言われて足をゆっくりゆっくり進めた。
「なあに?」
「シロと留守番できるか?」
「るすばん」
「俺が本当に忙しくてトラのところに連れていけないことがあるかもしれないから、そういうときはシロと二人で待ってられるか?」
命にはお仕事がある。そんなの嫌だなんて言っちゃいけないから、ちょっとだけお嘘ついて僕はお洋服の裾を掴んでコクって頷いて見せた。お兄さんになるんだもん、お兄さんはお留守番できるんだもん。
「……無理なら我慢しなくていいんだぞ?」
「無理違うもん…お兄さんなるもん…」
「そうか。…ユキ、ここおいで」
命が自分のお膝をポンポン叩く。僕は言われた通りそこに座って、すごい近いところから命のお顔を見た。
「お兄さんはなぁ、自分の気持ちがちゃんと言えるんだよ」
「そうなの…?」
「そう。例えば悲しいときは悲しいって言うし、楽しいときは楽しいって言う。でもなかなか人って自分の気持ちを口に出すことができねえの。」
そうなの…?じゃあまだお兄さんになれてない人はたくさんいるのかもしれない。
「命も、できない…?」
「俺はお前にはちゃんと言えるよ」
「今、僕といて楽しい…?楽しくない…?」
もし楽しくないって言われちゃったらどうしよう、お胸がドキドキしてる。命をジーっとみてると、クスッて笑って僕の頬っぺに大きなお手手を当てた。
「お前といると楽しいよ、優しい気持ちになれる。ユキが好きだから」
「あ…ぁぅ…」
好きって言われて、いつもなら嬉しくて僕もって言えるのに、今は恥ずかしくて言えない。きっと僕のお顔は今真っ赤なタコさんになってる…!
命のお胸にお顔をグリグリ当てて隠そうとする僕をククッて笑う命は「照れてんの?可愛いな」って言いながら僕の顎に長い指をあててお顔を上に向かせてチューをたくさんしてくる。それも恥ずかしくてお目目にぎゅって力を込めて強く瞑った。
「今更何を恥ずかしがってんだよ。」
「だってぇ…」
僕にもわからない。お胸のドキドキは止まらなくて、ギューって命に抱きつくけど、そうしたらもっともっとドキドキは止まらなくなっちゃった、それに何だかむずむずして…
「…んっ…んん…」
「え、ユキ…?」
「っ…命ぉ…」
「…何で勃ってんのお前」
おちんちんがむずむずする…
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