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第119話 命side

ため息を吐いた俺はそのままたまらず笑った。 「むずむず…やだっ、治して…」 「はいはい、下全部脱げ」 俺の膝から一回降りてズボンとパンツを脱いだユキに、さっきまでとは違い、向かい合わせではなく、俺の胸に背中を預けるように膝に座らせた。勃ってるユキのそれにそろりと手を伸ばす。 「触んぞ」 「…んっ…んぅ…」 触った瞬間鼻から抜けるような声を出して腰を震わせるユキ。これが自分でできるようになればなぁと思いながらもクチュクチュとユキの性器を弄ってやる。 「…はぁ…あぅ…っ」 「自分でできるようになれよ」 そう言うとユキは顔だけ振り返り涙で膜はった大きな目で俺を見てきた。 「…やだぁ…んぅ…」 「やだじゃねえよ。これできねえとお兄さんにはなれないし」 「…んっ…ぁ…あ」 一際体を大きく震わせ俺の手のひらに液体を吐き出したユキは、荒い息を繰り返してヘナヘナと脱力していく。俺はティッシュを取り手の中の液体をさっさと拭った。 「…僕、お兄さん…だもん…」 「まだお兄さんじゃねえよ」 むうっと頬を膨らませて俺を睨むけど怖くないし、むしろ誘ってんのかって言いたくなっちまう。 「ちゃんと綺麗にしてから下着とズボンはけよ」 「はぁい…」 まだ力が入らないらしくて俺の膝の上でぐったりとしていた。 その日の夜、面倒くさい仕事が入ったと早河から連絡が来た。どうやら若と婚約したいと言う偉いとこの女が急遽明日来ることになったらしい。 「若はそんな気はないって言ってる。親父も若が嫌なら断れと」 「へぇ~、ならそれでいいじゃねえかよ。どこが面倒なんだ。」 ユキの風呂上がりの濡れた髪をタオルで拭く。「早河さん?」とユキが聞いてくるのを頷いて答えた。 「相手だよ。」 「誰」 「芦屋(あしや)組の…」 「うげえっ芦屋かよ」 顔を歪める俺の頬を大丈夫?と撫でてくるユキ、ユキの頭を撫で返した。 「前から気に食わねえとこだ。」 「薬の噂も出てるしな」 芦屋組は昔から何かと浅羽組と仲良くしようと媚を売ってきたりして気に食わなかった。だが最近はそれだけじゃなく薬をやってるなんて噂も出ている。芦屋組だからって一纏めに見てはいけないんだろうけど…。 「…そういやぁ芦屋の娘ってたしか3人いたんじゃ…?」 「ああ、その一番上だよ。名前は芦屋美織(みおり)」 「……わかんねえや」 ただあそこの姉妹は顔が似てるから何となくこんな感じ…とイメージ…できなかった。 「あ、そういえば聞いてくれよ」 「あ?」 「猫飼った。シロって言うんだ。」 「はあ?猫?」 「そう、あとで写真送る」 「ああ…明日遅刻するなよ」 「わかってる。じゃーな」 電話をきってユキを見るとちょうどユキの膝にシロが乗ってるところだった。 「ユキー、シロと一緒に写真撮らせろ」 「お写真…?いいよ!」 1枚写真を撮ってメールに添付して早河に送った。 しばらくして返ってきたメールには"ユキくんとシロだっけ、なんとなく似てる。可愛いな。"と書いてあって思わず笑ってしまったことは秘密。

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